市と公益社団法人相模原市薬剤師会(小川護会長)は10月7日、「薬物乱用防止啓発事業の実施に係る基本協定」を締結した。これを機に両者は、官民の垣根を越えてタッグを組み、市内における薬物乱用防止の啓発活動を強化していく構えだ。
市内での対策をより効果的に推進するため締結された同協定。市はこれまで、薬物の乱用防止を呼び掛けるパンフレットの作成や、薬剤師の資格を持つ市の職員などを市内の小・中・高等学校に派遣し、薬物乱用防止教室を開催するなど、独自に啓発事業を行ってきた。一方で、薬剤師会でも、市内の小・中学校を中心に各校に配置されている学校薬剤師による薬物乱用防止教室の開催や、市内各所で開催されるイベントや街頭での啓発活動に力を入れてきた。あわせて数年前から市に対して、学校薬剤師による薬物乱用防止教育を行う機会を増やすよう要望も続けてきた。
こうした中で両者は、行政と薬の専門的な知識を持ち、地域で活動する薬剤師会が協力することで、より専門性の高い充実した内容の薬物乱用防止啓発事業ができると考え、約1年前から両者の間で話を進め、今回の協定締結に至った。
「かかりつけ薬局」周知も
市と薬剤師会は、協定締結後初めて、10月15日にウェルネスさがみはらで開催された「健康フェスタ2016」で薬物乱用防止の啓発イベントを実施。事前に募集した小学3年生から6年生までを対象に、摸擬薬を利用して薬品の測定や分包を体験させる「キッズ調剤体験」や、薬物乱用防止啓発キャラバンカーの展示などを行い、薬物乱用防止とともに薬の適性使用についても啓発した。
今後両者は、これまでそれぞれ独自に作成していた啓発用パンフレットや教室用テキストを共同で作成し、内容の充実を図るとともに、学校薬剤師による薬物乱用防止教室の実施増に取り組むことで、啓発活動を充実させていきたいとしている。
加えて協定では、地域の薬局を「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」として整備し、周知することで、薬や健康に関する相談窓口を拡充させ、地域の薬局を身近な存在にしていく機運を高めたいとしている。病院で処方された薬は、いわゆる病院付近に構える「門前薬局」で購入する人が多いが、市民一人ひとりがかかりつけ薬局・薬剤師を持つよう促すことで、薬の適性使用や一元管理化を促進させ、薬物の乱用防止につなげるねらいがある。
若年層への啓発をさらに強化させていく意向を示した上で薬剤師会の小川会長は「地域の薬局は、処方箋がなくても入れること、気軽に薬と健康に関する相談ができることもアピールしていきたい」と話している。
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