麻布大学の学長に就任した 川上 泰さん 伊勢原市在住 59歳
改革へ向け舵を取る
○…生命・環境科学部長の役職から一転、「志願者増加に向け尽力したい」と自ら学長選へ名乗りをあげた。獣医学部に比べて受験者数の確保が難しい同学部。「何か魅力がないと絶対的に人が集まらないことを実感している。内情を知った立場を生かし現状を打破したい」。念願叶い昨年11月、晴れて学長に選任された。直下に大学改革室を設置し、目標達成に向けてまい進していく。
○…青森県出身。医師だった父の背中を見て育ち、「父の仕事が僕の将来だと思っていた」。医学部をめざし、順調に青森の進学校へ入学。日々学業に励むも受験に失敗してしまう。「引かれたレールに乗るだけかな、と甘く考えていた。世間知らずだったんでしょうね」。本人曰く「医学部浪人から不本意の典型」で進学した麻布だったが、「研究室に入ったら意外に面白くて、一気に開花して大学に愛着がわいた」と振り返る。研究室では朝から晩まで寄生虫の研究に没頭。解剖用ネズミの捕獲に校内や近隣を走り回ることもあった。卒業後は北里大学で博士号を取得、麻布で研究職の道を歩んだ。
○…学長就任以降、「息つく暇がない」ほど多忙な毎日。唯一の息抜きは愛犬モカと過ごす時間だ。「趣味がないのが僕の弱点。運動も犬の散歩くらい。犬に全て捧げているような感じですかね」と目じりを下げる。
○…獣医中心の大学で「学長までなれるとは思わなかった。しっかり働き大学に還元したい」。課題克服には「教学の長として大学全体を正確に把握し、教職員との情報共有が重要」と説く。まずは「職員の能力を最大限に引き出せる環境づくり」から着手。その先にあるのは魅力に溢れ、選ばれる大学。教職員の先頭に立って士気をあげ、実現に向けて舵を取る。
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