絵本『あらしのよるに』作者 きむら ゆういちさん 東京都目黒区在住 63歳
○…きっとあなたの家の本棚にも並んでいるはず。著作は500冊以上、海外でも120は越える出版物が刊行されている。中でも、代表作『あらしのよるに』シリーズは、累計300万部を突破したベストセラー。当代きっての人気作家本人が今週末に来相。これ以上ない形で催しに花を添える。
○…東京都目黒区が地元。幼い頃は地域の絵画教室に通った。高校に入学し、友人と廃部となっていた美術部を再び創設したのが転機に。「同じ場所から描いたのに、オマエの絵はうまい」「今度、図書室に飾ってくれ」。描く度に驚かれた。それはちょうど人生の意味を求めていた時期。「ズバ抜けたものもなくて。『オレって何?生きていなくてもいいんじゃないか』って」。受け止めてくれる誰かの存在に、悩ましい時間は次第に消えていった。「生まれて初めて、“切符”をもらった。この世にいてもいいというチケットを」。進路には、多摩美術大を選択した。
○…童話に欠かせないものといえば、動物。「飼うのはこれからも夢ですね」。今は公園で生まれたネコ、その前は捨て犬を飼っていた。「“出会い”があって一緒に暮らすようになりたい」。お金で繋がりたくないのだ。『あらしのよるに』に登場する狼が実は大好きなモチーフ。それもあってか、このシリーズ全7作品を書き上げるまでに、1冊に1年以上を費やし、10年ほどあたためながら書き連ねた。
○…1つ“鉄の掟”がある。絵本・童話を「子ども向けに書かない」と決めている。“子どもが喜ぶだろう”という気持ちで、筆を執ることを戒める。小説、漫画の原作など、児童書以外にも守備範囲は広い。「葉っぱが多いだけ。根っこは一緒」。つまり、“自分が生きているということ”、そこに真摯に向き合う中で、生まれてくるものを表現する。小手先だけの技術は彼らには通用しない。「こっちが全力でぶつかれば、それを全力で返してきてくれるので」。何より子どもが大好きだ。
「共にささえあい 生きる社会」相模原市は、全ての人が共に支えあって生きる共生社会の実現を目指しています。 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026641/1012901.html |
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