上鶴間発"地域アイドル"誕生 高校35周年記念 4人でステージに
県立上鶴間高校(南区上鶴間本町)の生徒によるアイドルグループが先月25日、南区麻溝台で行われたイベントで地域デビューを果たした。このグループ「フレア」は学校の35周年を記念し、結成されたもので、4人の女子生徒(パフォーマー)から成る。アニバーサリープロジェクト自体には、総勢20人の生徒が関わっている。
めざすはももクロ?
「記念イヤーを何か祝えないか」と、今年春、当時の生徒会長が発案。有志のメンバーで話し合った結果、今をときめくAKB48やももクロ(ももいろクローバーZ)のような、「アイドルグループ(パフォーマンスユニット)を作ろう」という流れに。6月、有志でプロジェクトチームを発足させ、校内に”アイドル”の募集をかけた。
そして、歌と踊りが大好きな4人が手をあげた。「興味がありました。親から『やりたいことをやりなさい』って言われたので」「小さい頃から芸能人になりたかった。大手事務所は無理だけど、地元の学校の活動なら」。(写真手前左から)もっち、こちょ、ちいやん(以上2年)、にーな(1年)と、4人にそれぞれ愛称(芸名)が付けられ、9月の文化祭に向け、本格的な活動を開始。プロの構成作家のアドバイスも受け、「アイドルだけでなく、それに携わる人にもスポットライトがあたる」プロジェクトをめざすこととなった。
ところが、「なぜ『アイドル=女子』なのか?」「(外に出して)プライバシーの問題はどうするのか」。教員から懸念の声があがった。メンバーはその都度、顧問らと話し合い、着地点を探した。「生徒が自主的にはじめたこと。何とか実現してあげたい」というサポートの声もあり、プロジェクトは進行。課題を一つひとつクリアし、9月1日、4人ははじめて人前のステージに立った。
文化祭当日、この日のために、中庭に用意された舞台(ウイング車)には40人近くの観衆が集まっていた。コスチュームは、昨年春からリニューアルした紺色の学生服。既存のアイドル曲に振りを付け、4曲を歌いあげた。「大人はアイドル=売り物と捉(とら)えがちですが、彼らにとっては等身大の存在。自分と置き換えてみたい欲求はあるはず」(岡部佳文校長)。
新ジャンル「ソーシャル」
グループ名のフレアは、英語のflare=「炎」に「触れ合う」という意味をかけたもの。プロジェクトは彼女たち4人のパフォーマンス部門の他に、マネージメント部門、企画広報部門、技術部門などからなる。ステージMCをする生徒、作詞をする生徒、映像編集をする生徒…。「それぞれの好きな分野を生かし、”みんなの得意”で作っています」と、プロジェクトのリーダーで、現生徒会長の熊崎皓紀君(2年)は自負する。
メンバー間ではフレアを”ソーシャルアイドル”と表現している。これは同校が昨年から授業に取り入れているソーシャルアントレプレナーシップ教育(地域で活躍する人を育てる科目)を参考にしたもの。
ソーシャルアイドルとは、「地域で貢献する」アイドルという造語。早速、先日、対外的なデビューを飾った相模原防犯ボランティアによるフェスタで彼女たちは、PRを手伝った。「歌って踊ってビラも配れるアイドルですかね」(岡部校長)。「学校を元気にし、地域に一体感を生み出していく存在になってくれれば」と期待している。
なお、プロジェクトは生徒主体の運営で、顧問の教員は、あくまで「生徒が負えない責任を引き受けるだけ」としている。フレアの4人は、本名を明かさず、愛称だけで活動を行う。来年3月、卒業を祝うステージの開催をめざしている。
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