3月11日、宮城県気仙沼市大島でライブを行う 澤村宗(そう)さん 中央区東淵野辺在住 67歳
陸奥(みちのく)慕情は言葉にできない
○…歌謡曲調のメロディーにのせた、雰囲気のあるしゃがれ声。ギター片手に、愛する故郷への悲哀を歌い上げる。その宮城県気仙沼市の大島(おおしま)は2年前の地震で、津波のみならず火の海に包まれ、多くの人が家族や仕事を失った。震災後も、4人の知人が自らの命を絶った。「人もまばらで、無人島のよう」。昨年の3月11日には、雪の降る現地で、かじかんだ手にギターを持った。”今年も来てくれませんか?”。沈みがちな故郷からの呼び声に、この熱血漢が応えない訳がない。
○…高校卒業後に上京し、築地の魚河岸で勤務。現在は、整体院(南区古淵)を経営し、空手教室も主宰している。音楽に出会ったのは20代の時。新宿で飲んでいたら、たまたま歌う機会が。そこでスナック・居酒屋で客に歌を披露する”流し”のバンドにスカウトされ、歌舞伎町などで夜ごと活動を続けた。日本コロムビアレコード専属歌手として、CDを4枚リリース。オリジナルも作る(作詞・作曲)。被災後に手がけた、自主制作アルバム「みちのく気仙沼」のジャケットには、「ことばでは言い尽くせないので、唄にしました」というフレーズが記されている。
○…かつてはテレビに出演していたことも。ビートたけしさんが司会を務めていた番組「スーパージョッキー」では、体を張ったパフォーマンスを披露。氷の塊を素手で割り、スタジオをわかせた。たけしさんの相方だったきよしさんとは現在も親交があり、今回の気仙沼訪問にも同行する予定だ。
○…これからの故郷を考えた時、実現したいことがひとつある。大島の対岸、徳仙丈山(とくせんじょうさん)で咲くツツジは、50万本を誇る市内随一の名所。それを、火事で丸裸になった大島の山肌にも植樹し、島の名物にしたいと情熱を燃やす。地元の有志らと協力しながら、昨年6月から苗植えを開始。その深いピンクが、あまりにも多くを失った島の人々の心に、温かく染み込んでいく。そんな日が今から待ち遠しい。
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