保護司として長年尽力し20日に市民文化表彰を受賞する 山口信郎(のぶお)さん 中央区東淵野辺在住 73歳
「心」に寄添い歩む人生
○…犯罪や非行に走ってしまった人が立ち直れるよう地域で支えるボランティア「保護司」として30年超にわたり活動を続け、県保護司会連合会会長を務める。11月20日には長年の功績が認められ、市民文化表彰の受賞が決まった。1974年以来、36人目の栄誉にも「地域の方々の協力があったからこそ」と目を細める。共に歩んだ仲間を代表して受ける気持ちだ。
○…大学卒業後、高校の教員になると同時に、保護司のパートナーであり、非行した子どもたちの立ち直りを援助する青年ボランティア団体「BBS会」に入った。世は暴走族など非行や犯罪に手を染める子どもたちが増加した時代。保護司として問題に立ち向かう父親の姿を見ながら、「何か手助けがしたい」と考えた。日中は高校教師、夜間や休日は「非行した少年・少女の兄・姉のような存在になる」というBBS活動に熱中。年齢と共にBBS会を卒業し保護司となってからは、子どもたちだけではなく、罪を犯した様々な世代の人と向き合った。
○…校長として赴任した多摩高など、50年間教員を務めた。厚木東高が女子高だった時代の教え子・榊原郁恵さんとは現在でも親交があり、恩師としてテレビ番組にも出演。郁恵さんが保護司会の活動に駆け付けてくれたこともあった。私生活ではアメリカ在住の次女が出産し孫ができた。年に数回出会う天使に癒されている。
○…保護司の定年は76歳。罪を犯した人に「まだ立ち直れる」と励まし、寄り添った日々もあと3年でひと区切りを迎える。「先生ありがとう」と赤ちゃんを抱っこし、会いに来る教え子に至福を感じる時もあれば、自分の無力さで救えなかったという後悔を感じることもある。今気になるのは保護司の担い手不足の問題。残りの人生をかけ、市内に保護司の拠点も整備する考えだ。「地元の人が温かく見守る体制を作り、未来へ繋げたい」と意気込んだ。
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