神奈川県選挙管理委員会は8月7日、4月の相模原市議選南区選挙区で最下位当選をはたしながら、市選挙管理委員会から受けた「当選無効」の決定を不服とした小林丈人氏(44)の審査申立を棄却する裁決をくだした。小林氏は「県選管が行ったものは調査と呼べず、導き出す結論が違う」とし、近く東京高裁に提訴する構えだ。
(8月11日起稿)
4月12日に投開票された相模原市議選南区選挙区で小林氏は3304票を獲得。3303・339票を得た次点の大槻和弘氏(59)に0・661票差をつけて最下位当選となった。
同月27日に大槻氏が「自分への有効票とみられる票が無効扱いされたとの匿名の情報があった」として市選管に異議申立書を提出。市選管はこれを受け、5月20日に一部の票を再点検した。その結果、無効票の中から大槻氏に投票したと判読できる有効票1票を確認。5月25日に市選管は、大槻氏の得票を3304・340票とする判断を行い、当落逆転の決定を行った。
小林氏はこの判断に納得できないとして、6月10日に県選管に審査申立書を提出。申立を受けた県選管は7月14日に10万票を超える南区選挙区全投票用紙の再点検を実施した。さらに市・区選管への聞取調査、開票作業で審査係の班長を務めた市職員2人への証人尋問、小林氏への審尋を経て裁決をくだすとしていた。
解釈に食い違い
今回の裁決で県選管は、小林氏の「市選管が大槻氏の有効票と判断した1票は無効票に分類されるとは考えられず、開票結果確定後に投票保管箱に潜り込ませた」などとする主張を、「当該の1票を存在しなかったと証言した職員はおらず、具体的な事実はない」として退け、市選管の決定を支持した。
裁決を受けた7日に市役所で会見を開いた小林氏は「無効票の判定を行う審査係への聞き取りで8人中5人が見た記憶がない、記憶にないとしている。それを『当該投票が存在しなかったと証言した職員はいない』とされてしまっては、導き出す結論が違い過ぎる」と不満をあらわにした。
公職選挙法では裁決に不服がある場合、30日以内に高裁に提訴できる。小林氏は「弁護士と相談して準備を進め、法廷の場で真相を明らかにしていきたい」と述べ、8月下旬から9月上旬までに提訴する考えを明らかにした。
一方、大槻氏は裁決後に会見し、「市選管の開披再点検の結果、有効票とされたものを県選管も追認してくれて安心した。更正手続きが早めに行われることを期待する」と話した。
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