写真は昨年の様子を撮影した「平成27年相模の大凧まつり写真コンテスト」で、62作品の中から最優秀賞に選ばれた『揚がれ、あがれ』
ゴールデンウィーク恒例の『相模の大凧まつり』が５月４日（水祝）・５日（木祝）、相模川新磯（あらいそ）地区河川敷（南区新戸（しんど）・磯部地先（じさき））の４会場で開催される。両日とも午前10時から午後４時まで。主催は同まつり実行委員会（川崎喜代治（きよはる）実行委員長）。今年の題字は「福風」（ふくかぜ）。風薫る５月の空を、男たちの掛け声とともに巨大凧が舞う。
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天保（てんぽう）年間（１８３０年頃）から始まったといわれる相模の大凧は、１８０年以上にわたり受け継がれてきた市の伝統行事の一つ。会員数約５００人からなる「相模の大凧文化保存会」をはじめとする地域の人々の努力によって、その文化は維持されている。昨年は２日間で４会場、のべ17万人が見物に訪れた。
今年も会場は新戸（新戸スポーツ広場）、勝坂（同）、下磯部（磯部頭首工（とうしゅこう）下流）、上磯部（三段の滝下広場）の４カ所。凧の大きさは各会場によって異なり、新戸は８間四方（１間＝約１・８ｍ）、勝坂は５・５間四方、下磯部、上磯部は６間四方。新戸会場の８間凧は４会場で最も大きく、14・５ｍ四方、重量は約９５０kg。引き綱の太さは直径３〜４cm、長さは約２００ｍに及び、毎年揚げられるものとしては「日本一の大きさを誇る」と言われている。
８間凧を揚げるには、80人〜１００人の人員と、風速10〜15ｍの風が必要とされる。最長滞空記録は、２００２年の６時間７分55秒。昨年は１分55秒とふるわず、上磯部会場で揚げられた６間凧（10・８ｍ四方）の１時間25分が４会場中で最長だった。川崎実行委員長は「凧は風が相手。座間方面から良い南風が吹いてくれれば」と期待する。
凧紙に使われるのは、埼玉県東秩父村で作られる伝統的な手漉き和紙「細川紙」。細川紙は国重要無形文化財に指定されており、ユネスコ（国連教育科学文化機関）無形文化遺産にも登録されている。題字は漢字２字。右上は「太陽」を示す赤色、左下は「大地」を表す緑色で書く。今年の「福風」は１月に応募総数２７７点の中から選ばれた。
立入禁止区域を拡張
昨年、滋賀県東近江市の「東近江大凧まつり」で起きた大凧落下事故を受け、今年は安全面を強化。各会場とも見物の立入禁止区域を拡張。新戸会場では、危険性が低い区域に観客席を増設するという。また、各会場には熊本地震の義援金募金箱を設置する予定だ。
まつり期間中は、午前9時30分から午後４時までの間、ＪＲ相模線相武台下駅から大凧センター〜上磯部会場〜下磯部会場〜新戸・勝坂会場〜相武台下駅を巡回する無料のバスが運行される。
まつりに関する問合せは市コールセンター【電話】０４２・７７０・７７７７へ。
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