アマチュアも参加できるプロ棋士への登竜門「冬季棋士採用試験」の本戦が10月から11月にかけて東京本院で行われ、上鶴間本町在住の芝野龍之介さん(19)が1位を獲得。来春からのプロ入りが決まった。
芝野さんは囲碁漫画「ヒカルの碁」のファンだった父の影響で、弟・虎丸さんと一緒に6歳から囲碁を始めた。当初は家族で楽しんでいたが、上達を目指し多くの一流棋士を輩出している洪道場の門を叩いた。 試験を経て日本棋院の院生になったのは13歳。棋院では順調に上り詰めたが、惜しくもプロには届かず。年齢制限により棋院の卒業を余儀なくされた。
「最後のつもりで」
棋院を卒業後はアマチュアの大会に数多く出場。昨年8月には「全日本アマチュア本因坊決定戦全国大会」で史上最年少優勝を果たした。受験生だったこともあり、昨年は棋士採用試験を受験せず。今年4月に東京理科大に進学すると、洪道場に週4日通い、うち2日は泊りがけ。まさに囲碁漬けの日々を送り、「今年が最後のつもり」で棋士採用試験に挑んだという。
アマチュア棋士が本戦にたどり着くまでには、「外来予選」と「合同予選」を勝ち上がらなければならない。芝野さんはアマチュア棋士10人が参加した外来予選を、8勝1敗の1位で通過。外来予選の通過者4人と院生10人で争われた合同予選も、12勝1敗で1位通過を果たした。
「選択肢が広がった」
そして院生の成績上位10人と合同予選通過者6人による本戦。前半7局が終わった段階で4勝3敗と苦しんだが、「残りを全勝できれば優勝できる」と気持ちを切り替えて8連勝。12勝3敗の1位でプロへの切符をつかんだ。
「具体的な夢はまだ持てていないが、将来の選択肢が広がった気がする。大学に通いながらプロ棋士としても活動していきたい」と語る芝野さん。
一緒に囲碁を始めた弟・虎丸さん(17)は、15歳の時に一足先にプロ入りしている。現在3段で若手の注目株だ。「棋士採用試験後も弟に報告していないけど、知っていると思う。兄弟でプロになれたことは嬉しいが、対戦はしたくないかな」と話していた。
さがみはら南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|