長く相模大野のシンボルとして親しまれてきた伊勢丹相模原店が、来年9月30日をもって営業終了することが決定した。イベントなどを通じた地域とのつながりも強く、地元からは驚きと閉店を惜しむ声が上がっている。
伊勢丹相模原店は1990年9月、旧在日米陸軍医療センター跡地の整備事業の一環として開店。93年にはA・B館を増床し、96年度には売上高が377億円まで拡大した。また、TBS系で放送された「デパート!夏物語」「デパート!秋物語」の撮影場所に使用されたこともあり、高い知名度を誇っていた。
しかし、消費者の購買行動の変化や、同一地域内の競合環境が厳しくなったことなどから売上が低下。直近の2017年度の売上高はピーク時から約5割減の195億円となり、赤字が恒常化していた。16年2月には、A・B館を閉館させ効率化と収益の回復を図るも効果は限定的。商業施設化や業態転換も含めた様々な検討を行った結果、収益の回復が望めないこともあり、今回の営業終了に至った。
突然の営業終了報告に、市や地元商店街、利用者からは様々な声が上がっている。加山俊夫市長は閉店の報道があった9月26日にコメントを発表。「営業終了決定は大変残念。本市唯一の百貨店として地域経済を牽引していただいた。閉店後の店舗の取扱いについては、市と協議し、周辺のまちづくりへの影響に対し十分に配慮いただくよう要望した」としている。
開店当時からほぼ毎月通う相模大野在住の伊東博子さん(69)は「お正月の福袋も内容が充実しており、毎年楽しみだった。閉店は本当に残念」と肩を落とした。
同店は産官学の連携にも積極的に取組んでおり、区内の相模女子大学、女子美術大学との様々な試みにも協力。「相模大野アートクラフト市」や「さがみおおのハロウィンフェス」などの地域イベントにも参加していた。閉店後の店舗の扱いや、さよなら企画などは現在のところ未定だという。
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