上鶴間在住の市民ランナー、阿部一二三(ひふみ)さん(80)が、7月に大和スポーツセンター競技場で開催された「第36回神奈川マスターズ陸上競技大会」男女3000mの80歳以上の部門で優勝した。
マスターズ陸上は、35歳以上の男女で連盟に入会すれば誰でも出場できる大会。阿部さんは50代から80代の男女がエントリーした3000m決勝を16分59秒で走り、記録は19人中16位だったが、もう一人の80代選手を上回ったため優勝となった。
わずか2人で争った金メダル。それでも阿部さんは、「1位になったのは生まれて初めて。一生懸命走ってきたご褒美かな。ついてたね」と白い歯をこぼした。
55歳でランの道へ
地元で「ヘアサロン・アルプス」を営む阿部さんがランナーとなったのは55歳のとき。「さがみはら元旦マラソン」をきっかけに、走ることにのめりこんだ。仕事のため土日の大会には出場できなかったが、70歳を過ぎてからは臨時休業して念願のフルマラソンにチャレンジ。以来、年2回のペースで42・195Kmを走破している。専門誌「ランナーズ」が発表している全国ランキングでは、79歳の時に4時間27分44秒で全国64人中7位に輝いた。今年はタイムを落とし57人中9位と後退したが、全国には93歳でフルを走る先輩も。「少しでも近づきたいね」と意欲は衰えない。
阿部さんの日課は、雨の日以外変わらない。午後4時半頃から奥さんと交代で夕食を摂り、終業後の7時半から10Km走る(休日は20〜30Km)。帰宅後はまず牛乳を飲み、風呂上りにスポーツドリンク。ビールも少々楽しむ。このサイクルで「ここ数年、病院にほとんど行ってない」そうだ。