スポーツ用に開発された滑空性能をもつ四角いパラシュートを地上で開き、斜面を利用して滑空しようという発想から産まれたスカイスポーツ「パラグライダー」。日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)が主催する同競技のジャパンリーグにおいて、南区磯部在住の多賀純一さん(55)が、2021年日本ランキングで1位を獲得した。
多賀さんの行っているパラグライダー競技は スピードレースと呼ばれるもの。大会の主催者がその日の気象情報などをもとにタスク(フライトするコース)を設定し、ターンポイントを通過しながら、いかに早くゴールするかを競いあう。
通常のフライト距離は20〜30Kmだが、長いものでは100Kmを超えるものもある。大会は複数日開催され、期間中の各タスクの総合順位で優勝者が決定する。
2021年はJHF主催で7大会が予定されていたが、コロナ下による緊急事態宣言の発出もあり3試合が中止に。多賀さんは開催された4大会全てに出場した。初戦のスカイグランプリinASHIO(茨城県石岡市)は37位、尾神カップ(新潟県上越市)も13位と出遅れたものの、10月のAUTUMNスカイグランプリinASHIO(茨城県石岡市)で4位、最終戦となった12月のスカイグランプリinASAGIRI(静岡県富士宮市)で総合優勝を果たし、上位2大会のリザルトにより年間ランキング1位に輝いた。
大空を飛ぶ快感多賀さん パラで日本一
多賀さんがパラグライダーを始めたのは20歳の頃。たまたまテレビで目にした講座に興味を持ち、箱根にあったスクールに入会した。当初は競技ではなくレクリエーション目的だったが、2010年から本格的に大会に参戦。日本選手権で2位になるなど、着実に成績を伸ばしてきた。
11年間にわたる競技生活で、過去最高の日本ランキングは4位。それだけに「まだ実感が湧かない」と総合1位に輝いた昨年を感慨深げに語る。
パラグライダーの魅力については「動きが立体的で、自由度が高い」と話す多賀さん。実は高い所があまり好きではないそうだが、上昇気流に乗れば高度は3千メートルを越えることも。鷹や鳶と一緒に空を飛ぶこともある。「自然と一体化でき、空を飛ぶという願望が叶えられるのもいいね」と笑う。
年齢を重ねても続けられるのが同競技の特徴で、70代で現役の選手も多いとか。「ほどほどの体力があればできるし、気象を読む経験値がものをいう部分もある。年齢を重ねても楽しめる」。次の目標は「日本選手権で1位を取ること」。今年の初戦は和歌山県で3月に予定されている。
![]() 大空を飛ぶ多賀さん。編隊飛行もパラの魅力
|
さがみはら南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>