特定非営利活動法人レモンタイム(望月陽子理事長)が運営する知的障害者の活動拠点「レモンタイム工房」が昨年9月、区内の民家を借り受け、新たな工房を作った。国の助成を受けるために約5年前から探していた活動拠点を借りることができた同法人は、工房で利用者が革製品の製作に没頭するなど順調な運営を行っている。
同法人は昨年まで、市の助成を受けた「地域活動支援センターレモンタイム工房(東林間1丁目)」を運営し、障害者の日常生活などを支援し続けてきた。通所者と工房の敷地内にある「グループホーム来夢」に住む障害者が一緒に利用していた。一方で、市の財政難を理由に国からの助成金で運営する「生活介護事業所」へと生まれ変わることが求められていた。
国の助成を受けるには、グループホームに住む利用者は同じ敷地内で活動することができないため、申請ができず、法人の職員らは徒歩圏で通える範囲の施設を探していた。しかし、良い物件が見つからず5年程が過ぎた昨年、法人の理事を務め、民生委員などにも携わる地域住民から、母親の介護で空くことになった民家の貸し出しを受けた。望月理事長は「すぐに飛びついて、見たとたんに間取りが思いついた」と話し、申請の準備に入ったという。生活介護事業所の条件を満たすためリフォームをしたり、数百枚にもなる書類を提出し約半年ほどで申請が完了、「生活介護事業所レモンタイム工房II(東林間4丁目)」として運営を開始した。貸し出してくれた住民も駐車場や庭の整備を手伝ってくれた。望月理事長は「本当に感謝の気持ちしかない」と話す。
9月からは、グループホームの利用者が歩いて通い始め、主に革製品の製作を行い日々過ごしている。しかし、工房の石渡町子施設長は「コロナ禍でイベントが無く、製品を売る機会が減った。購入は工房でもできるので、買って頂けると利用者の励みにもなる」と支援を呼びかけた。
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