自らが発明し特許を取得した感染症対策物品「てりっぱ」を、市の新型コロナ対策に役立ててほしいと、桜台小学校6年の嘉手納杏果さん(12)が7日、相模原市役所を訪問。本村賢太郎市長に1000個を手渡した。市では、「大変ありがたい。子ども食堂などでの活用を検討していく」と話している。
今回、嘉手納さんが発明した「てりっぱ」とは、長さ9センチほどのマグネットクリップ。内側に折りたたんだ使用中のマスクを、衣類の裾やバッグなどに手軽に保管できるようになっている。親指と人差し指を入れられるようにバンドをつけ、片手でも扱えるのが特徴だ。
「不便を解消」
これまでに数多くの発明を手掛け、小学6年生にして5つもの特許を取得している嘉手納さん。その原動力は「不便の解消」だ。
この「てりっぱ」も、「使用中のマスクを衛生面の観点からポケットにしまわない方がいい」と、ニュースで聞いたことがきっかけだった。「マスクケースもあるけど、常に持ち歩くのは不便。もっと気軽に持ち運べるものを作りたかった」と話す嘉手納さん。そこから試行錯誤が始まった。
考えたのは、マスクを折り畳んで衣服などに簡単に留められるもの―。そこで小学4年生の時に特許を取得した「からまないハンガー」で使用したマグネット入りのシリコンバンドを応用。形やサイズなどを模索し、試作品を生み出していった。扱いやすさも考え、指を入れるバンドなどの工夫を重ねて完成したのが「てりっぱ」だった。
この可愛らしい名称は、もちろん嘉手納さんの考案。「スリッパを2つくっつけたような形で、足の代わりに手を入れるから」と笑顔で話している。
今回市に寄贈した製品は、防護服などを作製する企業にオーダーして独自に作ってもらったもの。「自分の発明を多くの人に役立ててほしい」との杏果さんの願いを聞いた祖父・知俊さん(74)が、金銭面で支援し、実現した。同製品は昨年6月に特許を取得している。
人の役に立ちたい
寄贈式には、桜台小学校の卒業生で、嘉手納さんが「尊敬している」と話す本村賢太郎市長も出席。お互い笑顔で歓談する姿も見られた。
寄贈を受けた本村市長は謝辞を述べた後、「本当に頼もしい後輩。相模原の人が幸せになれるよう、これからもどんどん発明を続けてほしい」とエールを送った。
「自分が考えたものが形になり、多くの人に使ってもらえるのが嬉しい」と話す嘉手納さん。2020年には手作りのフェイスシールド200個も市に寄贈している。
4月からは中学生となる嘉手納さん。「これからも誰かの役に立てるような発明を続けていきたい」と話している。
![]() (上)市に寄贈された「てりっぱ」(右)バッグなどにも使用できる
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![]() 使い方を実演する嘉手納さん
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