区内被害、前年比1.3億円増
相模原南警察署(重岡康二署長)の発表によると、2022年の特殊詐欺被害額・件数が県内及び区内で大幅に増加していることが分かった(左表参照)。本紙では重岡署長に詐欺被害の実態や傾向、対策などについて話を聞いた。
特殊詐欺 大幅に増加
相模原南署生活安全課の集計では2022年の1年間で、区内では特殊詐欺被害が47件(前年比プラス16件)発生しており、1億8408万円(同1億3117万円)の被害額となっている。最も多い手口が子や孫など身内を装い巧みにだます「オレオレ詐欺」(26件、1億372万円)。
次いで、市職員など公的機関を名乗る犯人が還付金があると巧みに誘導し犯人の口座に振り込ませる「還付金詐欺」(7件、1191万円)だ。
重岡署長は「防犯活動は強化しているが、1件あたりの被害額も増えており、犯人はどんどん要求するなど手口は巧みになっている。そしてお金の話が出たらまずは詐欺だと疑ってほしい」と注意を呼びかける。
巧みな犯行は無くならず、昨年は「名義貸しは違法ですよ」と話し、一人で約5千万円を奪われる「架空料金請求詐欺」が発生した。さらに今年1月には似たような話から1100万円を暗号資産にかえてそのまま奪われる手口も起きている。
神奈川県内の特殊詐欺は2089件(前年比プラス628件)発生し、43億4682万円(同17億6261万円)の被害額となっており、被害額・件数ともに大幅に増加し、3年ぶりに前年を上回った。
対策の徹底を
県警の発表によれば、被害に遭っている年代は80代、70代などの高齢者で女性が多い。犯人からかかってきた電話に出てしまいだまされている。例えば国税庁の職員から電話があり「○○○○万円以上のお金があれば、税金の手続きが必要なくなりますが」と電話をかけ、面倒な手続きが必要ないと思い「そのぐらいの金額は持っている」と預貯金や資産を答え、犯人に資産をもらしてしまうこともある。「個人の財産については答えないようにしてほしい」と重岡署長は話す。
また、「梨や栗を送った(送る)けど、何時だったらいる?」など季節の果物を送るという嘘の話で在宅時間を探る前兆電話から始まる手口もあった。重岡署長は「ご自宅の電話は留守番電話に設定するなど対策をとってほしい」と話している。
抑止に力
減ることの無い特殊詐欺について、南署では啓発活動に力を入れている。外郭団体と協働で実施した「安全・安心まちづくり旬間」のキャンペーンやパトカーが区内を巡回して啓発する機会を増やしている。
さらに特殊詐欺撲滅を専門としたプロジェクトチームを作り、昨年は7人を検挙し21件の詐欺事件を解決している。南署だけではなく、郵便局の職員やコンビニの店員が詐欺を防ぎ感謝状が贈られたこともあった。今後も官民一体となって特殊詐欺を撲滅する構えだ。
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