1月7日(日)から放送が始まるNHKの大河ドラマ「光る君へ」。今年は源氏物語の作者である紫式部の生涯を描く。そこで、25年以上前から市内で源氏物語や紫式部についての歴史講座の講師を務めてきた文学研究家の栗原一郎さん(緑区在住・76)に、その魅力などを聞いた。
紫式部は平安時代中期を生きた歌人。生涯で「源氏物語」「紫式部日記」「紫式部集」という3つの作品を残している。中でも有名な「源氏物語」は、世界最古の長編小説と言われている。「登場人物は約400人いるがそのうち118人が歌を詠んでいて、その数は795首。それぞれの立場でその時の心情に合わせてこれだけの歌を作ったというのは、紫式部が優秀な歌人だったということ」と分析する。
栗原さんは源氏物語の魅力について、「恋愛、歴史、政治、オカルトといった小説の持つ面白さの全てを詰め込んでいるところにある」と解説。さらに、「『紫式部集』という自叙伝的な家集を読むと紫式部は藤原宣孝(のぶたか)
と結婚して宣孝が亡くなるまでは明るく勝気な性格。結婚して2年半で宣孝が亡くなり人生が大きく変わる。その後、宮中に仕えた女房時代は憂愁の人というイメージ。しかし、ほかの歴史資料には、『彰子に終生仕える有能な女房』と書かれており、この違う視点で見るのも面白い」と話す。
昨年から依頼増
栗原さんは1947年生まれ。山梨県出身。東京学芸大を卒業後に教員となり、市内の高校で古文を専門に教えてきた。源氏物語や紫式部を深く研究するようになったのは教員になってから。当時勤務していた相模大野高校のPTAのメンバーとともに「源氏物語を読む会」を立ち上げ、1998年から2008年まで講座を行った。「参加者に女性が多かったので、華やかなものを選んだ結果が源氏物語だった」と栗原さん。その後、田名や大野南公民館など市内の公民館で講演を開催。昨年、大河ドラマで紫式部を取り上げることが決まると、依頼も増えたという。
栗原さんは、大河ドラマの見どころを「まずは衣装。当時の十二単などをどう映像にするのかとても楽しみ」と胸を躍らせる。さらに、「光源氏のモデルの一人とも言われている藤原道長がどのように描かれているのかは注目」と話す。事前に『紫式部日記』や参考文献に目を通しておけば、「より物語を楽しめる」とお勧めする。
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