相模原市内在住で、パリ2024パラリンピックにゴールボール男子代表の一員として出場し金メダルを獲得した萩原直輝選手が9月24日、相模原市役所で報告会を行った。祝福に訪れた市民やファン、本村賢太郎市長らに感謝を伝え、「次はロスで2連覇」とさらなる活躍を誓った。
萩原選手は東京都稲城市出身で、現在は南区に在住する27歳。18歳の時に視覚系疾患レーベル遺伝性視神経症と診断され、19歳でゴールボールを始めた。
初練習では3日間ほど筋肉痛になり「なんだこのきついスポーツは」と思ったというが、「見えていない中で速くて重い球を投げ合う」というゴールボールに熱中。障がい者施設でマッサージや鍼灸の勉強をしながら競技を続けてきた。
パリ大会で男子日本代表「オリオンJAPAN」の一員としてパラリンピックに初出場。同種目で日本初の金メダル獲得という快挙に貢献した。ポジションはセンター。延長戦にもつれこんだ決勝では試合途中から出場し「守備の要」として相手の得点を許さない熱いプレーを見せた。
「助け合う社会に」
報告会に登場した萩原選手は「こんなにたくさんの人に見てもらえて、応援してもらえてうれしい」と笑顔であいさつ。「決勝という大舞台に立てたことが本当にうれしかった。チームで絶対に金メダルを取ろうという気持ちで練習してきたので、延長は『意地でも止めてやる』という気持ちだった」と大会を振り返った。背番号について「自分をゴールボールに誘ってくれた選手がつけていた番号を引き継いだというのと、好きなゴスペラーズのラッキーナンバーが5なので」と思いを明かす場面もあった。
今後の目標については「ロスパラに出場し2連覇」と断言。またゴールボールなどのパラスポーツの普及にも触れ、「今回の大会でゴールボールを多くの人に知ってもらえたと思うが、ここからが大事だと思う。みなさんにもぜひ体験してもらいたい。パラの選手もオリンピックの選手と同じように努力しての結果。障害の有無に関係なく、みんな助け合える社会にしたい」と語った。
本村市長は「萩原選手らしく生きて、そしてゴールボールを広めて人々に勇気と感動を与えてほしい」とエールを送った。
ゴールボールは視覚障害のある選手がプレーするパラリンピック特有の競技。3対3で鈴の入ったバスケットボール大のボールを互いに投げ合い、得点を競う。選手は目隠しを装着した全盲状態で互いの足音や鈴の音を頼りにプレーするため、観客も含めて試合中は静寂に包まれる。音のない空間で重いボールを激しく投げ合うことから「静寂の格闘技」とも呼ばれる。
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