最終展を迎えるルネ東林間絵画クラブで代表を務める 小原 輝子さん 南区在住 83歳
芸術がつないだ縁、楽しむ
○…「49年と中途半端な年数になってしまったけど、そこにこだわらないことが私たちらしい」と「ルネ東林間絵画クラブ最終展」への思いを語る。マンションの住人内で希望クラブのアンケートがあり、その一つが絵画だった。大学で美術を学んでいたことから講師を引き受け、週に1回活動してきた。季節の花や「ウクライナ」など時節に合わせたモチーフを考え、それをもとに一人一人が油絵を制作するというのがクラブのスタイル。
○…東京都生まれ。戦時中は母や祖母らと共に群馬県へ疎開。田んぼや畑で遊んでいた。小学校低学年の時、ポスターのコンクールで佳作を取った。「勉強は嫌いだったが、絵を描くのは好きだった」と高校は美術科を選んだ。多摩美術大学で油絵を学び、教員免許も取った。公立中学校の非常勤講師や親戚の会社を手伝ったこともある。
○…日時計作家としての顔もある。30代から日時計の設計をしていた父の助手となり父が亡くなった後、その仕事を受け継いだ。港の見える丘公園やくぬぎ台小学校などから、ハワイにも手がけた日時計が設置されている。これまで関わった作品は100以上。「太陽と地球を相手にしている。スケールが大きくて楽しい仕事」と目を輝かせる。現在も日時計製作の依頼があり、設計に取り組んでいる。
○…同クラブは「自分にとってなくてはならない存在」。展覧会後に行われる反省会で「やって良かった」という声が挙がるのが嬉しい。展覧会は最後になってもクラブとしての活動はこれからも続く。続けていくことに疑問はなく、「やりたい」という気持ちがあった。これからの人生について「挑戦したいことに出会いたい」と力強く宣言した。