関東高等学校空手道大会・女子個人組手で優勝した 鈴木眞弥(まや)さん 光明学園相模原高等学校3年 18歳
世界に名を「刻みたい」
〇…右手を前に、左手を脇に。通常とは逆の構えからの「上段の刻み」。間合いを見極めた一瞬の隙に、相手の面へ寸止め10cm。最近の得意な決め手も繰り出された大会だった。決勝戦・7-7からの判定勝ちも、正直なところ飛び跳ねるほどの喜びではなかった。「目指しているのは、世界なので」。インターハイ出場を決め、この関東大会優勝でまた一歩目標(世界)へ近づいた。
〇…物心もまだつかない4、5歳の頃。故郷・青森県で3歳上の兄が通っていた地元の道場に行き始めたのが、空手との出会い。「楽しかった記憶しかないですね」。その道へ進みだし、やがて『形(かた)』でなく、相手と戦う『組手』の世界へ。中学生時、国内大会で光明学園高等学校・現監督の目に留まった。「うちにこないか?」。縁もゆかりもない相模原の土地にも迷いはなかった。「少しでも上達できる場所であればそこで学びたかったから」
〇…部員との寮生活も3年目。学校までは自転車通い。東京、静岡、長野など各地から志を共にした仲間と暮らしている。後輩と二人部屋、食事・洗濯を持ち回りで担当。引き締まった表情も、ひとたび道場を離れれば、あどけない笑顔が印象的な”普通の”高校生に。空手道部の仲間とおしゃべりや日帰り温泉を楽しんだり、近隣へ買い物に出掛けたり。「きっと胴着がオン・オフのスイッチになっているんです」
○…人と同じことをしていてはダメだ――。長年お世話になった青森の師に言われた言葉を今も強く覚えている。練習、遠征を繰り返す日々の中で、突然もらえるご褒美の休みもランニング。人一倍の努力をすることが体に染みついている。まずは目前のインターハイ、高校生活の集大成だ。「空手人生、悔いも挫折もない。結果は今の自分だから」。持っている力を存分に発揮して、ただただ真摯に前を向く。今日も威勢のいい声と汗が道場にほとばしる。
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