設立10周年を迎えた「NPO法人音楽センター櫻(おう)の会」の理事長を務める 木下 賢治さん 町田市在住 48歳
節目であり、再出発の年
○…活動の方向性を模索してきた10年間。相模原を拠点に活動する「NPO法人音楽センター櫻の会」は市内外で校歌の作曲などを数多く手がけた故・高橋鐵雄さんが「日本古来の音楽を次世代に」と立ち上げたプロの集まり。設立後間もなく、志半ばに高橋さんが逝去し、当時会員最年少ながら後継者に指名された。「なぜ自分が、という思いだった。一番生意気に意見をぶつけていたからかも」と苦笑する。
○…自身はピアニスト。中華料理店を営む両親のもと、小学生の頃から、家にあったピアノをおもちゃ代わりに弾いていた。「ピアノを続けてこられたのは、よき師との出会いのおかげ」。小学3年時から村田光弘氏に、国立音楽大学では柳川守氏に師事し、フリーランスとして演奏活動を続けてきた。作曲、後進の指導に多忙な日々を送るが、今も毎日の練習は欠かさない。「音楽は『その人そのもの』が出てしまう。常に進歩していきたい」と、飽くなき向上心を見せる。
○…釣り、ドライブ、カメラ、レコード収集と多趣味で、「一番のストレス解消」という料理にも腕をふるう。制作中、閃きを得るのは「水辺」から。伊豆の山小屋にこもって作曲することもあるという。家庭では二児の父で、歌うことが好きな長女とは自宅での「セッション」を楽しむ。
○…現在、会は歌声サロンや音楽セラピー、福祉施設への出張演奏などを活動の基盤としている。10年という節目に感じるのは、継続の重要性だ。「音楽でお年寄りの生きがいや楽しみを創り、地域貢献を続けながら、今後は若い世代にもアピールすべく、活動の幅を広げていきたい」と意気込む。次世代を担う子ども達には「どんどん楽器に触れて、歌って、音楽の楽しさを実感してほしい」とメッセージを送った。
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