WEB版タウンニュースさがみはら3版合同連載コラム 「コロナに負けない」 第3回(全6回)
新型コロナウイルス感染症拡大防止に向け、市内のさまざまな分野で尽力されている方々の取り組み、思い、市民へのメッセージをお聞きします。
「接触回避」で地域貢献 相模原市自治会連合会会長・坂本 堯則さん
自主防災組織、避難所運営協議会の設置、災害時要援護者支援といった地震や台風などの災害時に立ち上がる機能のほか、子どもの登下校時の見守り、環境美化活動等、安全・安心なまちづくりへ協力する地域住民主体の組織「自治会」。市内各区、各エリアにある590以上の自治会をまとめる相模原市自治会連合会の会長を務めて4年目を迎える。
東日本大震災や、記憶に新しい台風19号の際には住民同士のつながりの必要性が改めて見直されたが、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は状況が違う。坂本会長は「とにかく、人同士が接触しないことが重要。集まらない、無駄に話さないことを実践している」と強調する。住民の中には回覧板やチラシ、広報物の配布、会費の徴収などに不安を訴える人もいるという。「当然、無理をさせることはできない。有益で正しい情報提供はホームページやメールマガジンで提供するのが精いっぱい」と話す。
新型コロナウイルスの影響は自治会の活動に大きな影響を及ぼしている。役員会など重要な会合は簡素化して実施しているが、その他の会議はほとんど書面だけで賛否の意思を表明する表決で対応している。
4月は住民の転出入が増える時期だったが、毎年年度末と年度の始まりの期間に実施している加入促進キャンペーンは中止。坂本会長によると、数字の確認はできず、現状の加入数は把握できていないという。
自治会の大きな役割である住民同士が親睦を深めるイベントの中止も相次ぐ。桜まつりや福祉のつどい、健康教室だけではない。防犯パトロールや交通安全教室といった活動もやめた。5月末の清掃活動の延期、6月の定期総会と7月の自治会大会の中止が決まっている。坂本会長は「活動することは大事だが、この感染症に対しては外出しないことが一番の地域貢献だ。今は耐えることが最善の策だと思う」と繰り返し訴える。
自治会独自の取り組みも
中には、独自の取り組みをする自治会もある。中央区の上溝地区田中自治会(邉見昭二会長)はマスク工作キットを自治会会員約600世帯に配布した。自宅待機している小中学生に対する図工教室の一環と不足しているマスクの供給の一助としての取り組み。同キットには横40cm、縦15cmのウレタン製の布が50枚と型紙などが封入。布1枚につき4日程度使えるため、200日分のマスクがまかなえるという。
先行きが見通せない中、医療機関や研究所が発表する情報の収集に努めている。「米国ブルッキングス研究所の試算では日本で57万人の死者が出ると予想されたこともあった。また、米国の研究所の発表では2022年まで続く可能性があるとしている。とにかく、一人ひとりがこれまでの行動を変えることが必要になってくる」と坂本会長。ウイルスの収束が見通せるまでは会の活動も未来も描くことができないと嘆いている。
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