タウンニュースは神奈川県の黒岩祐治知事にインタビューを行った。知事は、新型コロナウイルスへの対応を振り返ると共に、東京五輪開催へ強い意欲を見せた。
=聞き手は本紙取締役執行役員・露木敏博
(取材は昨年12月)
――昨年はコロナ感染症が混迷を招きました。
「ダイヤモンド・プリンセス号から、どこよりも早くコロナに直面したのが神奈川県でしたが、それまでの取り組みがコロナ対応にかなり生きた実感があります。未病改善で様々な民間企業と連携を進めてきたことなどが次々と花開き、危機に対応できたと思います」
――その中で医療体制「神奈川モデル」が全国に広がりました。
「ダイヤモンド・プリンセス号でのDMAT(災害派遣医療チーム)の対応がベースとなり、重症、中等症、軽症・無症状の三層に分け、まず、中等症を集中させる重点医療機関を整備する『神奈川モデル』も作りました。DMATとは毎年の災害訓練のビッグレスキューで顔の見える関係を築いてきており、県庁職員も献身的に動いてくれました。この神奈川モデル以外にも、LINEと連携したパーソナルサポートシステムなど、神奈川発信の取り組みが全国展開されました」
――医療体制を崩壊させないことが重要です。
「医療現場は本当によく頑張ってくださっていますが、感染者が急激に激増した場合、対応できなくなってしまいます。なによりも感染者を出さないことが大事で、とにかく飛沫が飛び交う接触を避けること。厳しい状況は続きますが、ワクチン開発が早まっていることは光明です」
――マスク会食を推奨する県の啓発動画が話題ですが、県民の行動変容をどう促しますか。
「海外と比べて日本人のマスクの着用率はすごく高い。しかし店で飲食する時はマスクを外してワッとやってしまう。基本的な感染防止策をとった上で、会食の時も会話をする時はマスクをする、マスク会食が徹底できれば、かなり感染防止につながると思います。店の休業要請を言う前にこの行動変容を粘り強く訴えたいと思います」
――観光支援策「かながわ県民割」は好評で即完売となる商品もありました。11月補正予算で約10億3千万円を追加されましたが、どのタイミングで再開するのですか。
「時期をずらし、感染状況を見極めながらとなります。前回は神奈川再発見として、主要観光地の横浜・箱根・鎌倉以外の所でさらにお得になるという仕掛けにしたところ、その通りの効果がありました。それはさらに進めたいと考えます」
――東京五輪について観客を入れた開催への考えをお聞かせください。
「昨年10月30日から11月1日にかけてのプロ野球公式戦で、横浜スタジアムにおいて、NECやLINE、DeNA等とともに、大規模イベントの入場制限緩和に向けた技術実証をしました。高精細カメラやCOCOA(新型コロナ接触確認アプリ)といった最先端のテクノロジーを使いながら、球場全体の密を見える化してコントロールする技術実証です。こうした積み重ねが大事。安全安心のオリンピックをやりきる強い決意で、前に向かって進むことが開催自治体の責任だと思っています」
――県民へのメッセージをお願いします。
「2021年は暗いトンネルを抜け、明るい希望に満ちた一年になると信じ、皆さんと共にがんばっていきたいです」
「共にささえあい 生きる社会」相模原市は、全ての人が共に支えあって生きる共生社会の実現を目指しています。 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026641/1012901.html |
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