「かみつるま てくてくマップ」のイラストを手掛けた 西田 周三さん 上鶴間本町在住 75歳
趣味は心のビタミン
○…国鉄職員だった父親の勧めもあり、国鉄の教育機関である中央鉄道学園に進学し島根県から上京。折しもオリンピック開催に沸く東京に降り立った。ヨットに興味のあった寮の先輩に誘われ、半年かけて小型ヨットを制作。その楽しさに目覚め、仲間とともに大型ヨットを購入する。次に生まれたのは「外洋に出たい」という強い想い。28歳で決意を固め、国鉄を退職。約2年をかけて、世界一周の旅を実現させた。「世界各地で色々な家に呼んでもらいごちそうになりながらの旅。素晴らしい経験でした」と笑う。
○…ヨットの旅の途中、ブラジル・リオで購入したスケッチブック。ほとんど絵を描いたことはなかったが、「時間だけはあったから」と、目に映る壮大な景色、建物を克明にペンで描きとめた。帰国後は国鉄に復職。一時は絵から離れたものの、ヨーロッパ旅行で巡った美術館の作品たちに感動し、勉強を本格的にスタート。油彩、水彩にも手を広げ、個展も開催するほどになった。
○…上鶴間本町に移り住んで16年目。今回手掛けた「かみつるま てくてくマップ」の挿絵は自らの発案。「写真よりも暖かみがある」。そんな思いで上鶴間地域を歩いて回り、寺社仏閣、道祖神など60点以上のイラストを手掛けた。「郷土を愛する心に、少しでもつながれば嬉しいですね」
○…退職後にはヴァイオリンも始めた。音楽科出身の奥様にアドバイスをもらい、毎日練習に励んでいる。「しっかりとしたヴィブラートが出したいんだよね」と照れ笑い。発表会のステージで披露する日を夢見る。「音楽も絵画も心のビタミン。一人でもグループでも、屋内でも屋外でもできる。本当にいいものに出会えた」。満面の笑みが浮かんだ。
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