相模大野の夏の風物詩、相模原薪能が2年振りに開催される。昨年は新型コロナの影響で中止となったが、今年から、会場を相模女子大学グラウンド(屋外)から相模女子大学グリーンホール(屋内)に移し、感染対策を徹底することで開催が実現する。能「葵上」を披露する能楽師の松山隆雄さん(70)=相模大野在住=は「大事に演じたい」と意気込んでいる。
薪能は夜間、屋外に設置された特設会場などで演じられるもので、かがり火をたいて幻想的な雰囲気の中で能や狂言を上演する伝統文化。2年振りに行われる第33回相模原薪能は8月22日(日)、相模女子大学グリーンホールで開催される。主催は(公財)相模原市民文化財団ほか。象徴的なかがり火は屋内ということで、電気で灯かりを灯す仕掛けで演出される。
松山さんによると、本来は初春や初秋、夏でも山間部など涼しい場所で行われるものだが、真夏の相模大野は気温が高いため会場を屋内に移して行うことを決めたという。市内では、まん延等重点防止措置が講じられていたが、入場者数を間引くなど感染対策を行うことで開催が決まった。
松山さんは「昨年は新型コロナの影響で中止になってしまい、今年は開催したかったので嬉しい。いろんな方に見てほしい」と話している。
午後4時開場、4時45分開演。能楽解説などが行われた後、狂言「寝音曲」(25分)、仕舞「松風」(10分)、能「葵上」梓之出(50分)の順で披露される。入場無料(要入場券)、全席指定(約1200席)。
7月17日(土)午前10時から入場券が配布される。入場券は電話予約(チケットMove【電話】042・742・9999)ほかで、一人4枚まで。詳細に関する問合せは相模原市民文化財団【電話】042・749・2207。
能楽の普及に邁進
国の重要無形文化財保持者(総合)の松山さんはこれまで、能の普及に努めてきた。秋には自身の後援会が主催する「さがみはら能」の開催に向けて意欲を見せる。
開催後は大きなホールを使用しなくてもできる「能の語り」を行っていく。語りは新作を含め250〜300曲あり、「能面を使い表情豊かに語るミニレッスンのようなもの。焦らず慌てず、すべてを語り尽くしていきたい。今年70歳になり、より一層能楽を広めていく」と語った。
さがみはら南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|