2008年から
「子どもたちに読書体験を」とその機会を提供する企業が南区相模大野にある。都内を中心にマンションの建設を専門とする施工管理会社、日広建設株式会社だ。
同社は2008(平成20)年から地域の小学校へ本の寄贈を行っている。きっかけは同社中山智晃社長宛てに届いた封書。それは小学校へ写真集の寄贈するための寄付を募る案内だった。
「でも、小学生はそんな写真集が欲しいのかな。それより学校に実際に欲しい本を聞いてそれを贈った方が喜ばれるでは」。そう考えた中山社長は早速、会社の近隣にある谷口台小学校などに話を持ち掛けた。合計3校からリクエストを聞き、それぞれ20冊ほどを寄贈した。
読解力つけて
その取り組みは今も続いている。なぜ、そこまで熱心なのか。中山社長に尋ねた。
「私自身はジャンプやマガジンなどの漫画で育ちました。本は遠い存在でした」。ただ、後に受験を迎えるにあたり「読解力が足りない」ことで苦労をしたそう。テストの問題文を違う解釈してしまうこともあったという。「全ての学問は日本語が理解できないと苦労します。だからもっと子どもの時に本に触れる機会を増やし読解力を高めてもらいたいのです」と自身の経験をもとに、寄贈の真意を語る。現在の対象は養護施設を含め合計9校(施設)に拡大。23年度(令和5)までで合計2327冊を贈ったという。
ちなみに本は新書で毎回各校へ10冊程度を。「10冊持つと重たい。それを実感して欲しい」と話す。
「好き」を紹介も
ただ、課題も見えてきた。寄贈を続ける中で、児童から感謝の手紙をもらうなどし「役にたっている」ことが実感できるようになる一方、そういった児童はたいてい図書委員の子どもたちであることもわかった。「図書委員の子はもともと本が好きな子が多いはず。そうでない子どもたちにも広めたい」
そこで始めたのが「紹介カード」。自分の好きな本をその良さが他人に伝わるよう、書店のポップのようにカードにコメントなどを書く取り組みだ。同社ではそれを「ビブリオカードコンテスト」と称し、例年夏に子どもたちから紹介カードを募っている。今年は第7回をむかえ7月10日(水)から8月15日(木)まで受けつけ、プレゼントや参加賞を用意している。
いい思い出を
「図書室に新しい本が入って嬉しい」「○○シリーズが好きです」「たくさんの子たちが読んでいます」…。同社に届いた子どもたちからのお礼の手紙だ。中山社長は「本を好きになってもらいたいですし、子どもたちにはとにかくいい思い出を作ってもらいたいですね」と話した。
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