相模原市は現在、新築戸建住宅などに太陽光パネルの設置を義務付ける制度の導入を検討している。市から諮問を受けた市地球温暖化対策推進会議が8月1日、制度について4回目となる審議を行った。今年11月頃に答申する予定で、市は来年6月の議会に条例改正案を提出し、可決されれば2027年4月の制度開始を見込んでいる。
戸建住宅を含めた義務化は、一昨年に東京都が全国に先駆けて改正条例を公布し昨年川崎市が続いた。両自治体とも太陽光パネルの設置義務化は25年から始める。
相模原市は昨年、市地球温暖化対策推進計画を改定。この中で30年度の太陽光発電導入目標が19年度実績のおよそ7倍となることなどから「太陽光発電設備設置標準化制度」の検討を始め、今年1月に同制度の導入について同会議に諮問した。
踏み込んだ議論
制度案は東京都・川崎市の計画と同様の形で▽延床面積2000平方メートル以上の大規模建築物を新増築する個人・組織への設置義務▽延床面積2000平方メートル未満の新築建築物を年間一定量以上建築・供給するハウスメーカー等への設置義務▽太陽光パネルの設置について建物のオーナーに説明する建築士への義務――の3つの項目で構成されている。
1日の審議には学識経験者や公募市民、民間事業者ら11人が集まり、不動産や太陽光発電の業者を招いてヒアリングを行った。議論の焦点となったのは太陽光パネルの設置義務を負う事業者の範囲。市が検討している制度案では市内での年間建築量が延床面積合計5000平方メートル以上のハウスメーカー等を対象としている。
審議では、要件を下げ対象事業者を増やすことで、太陽光パネルの導入をより一層増やすことを望む声もあがった。
また、太陽光パネルの設置基準量や、建築物のオーナーへの説明義務を建築士に課すのが適切なのかが議論されたほか、安全の確保や市民へのわかりやすいPR、市の独自性などを求める委員もいた。
次回の会議は10月頃で、答申案をまとめる予定。