街づくりをテーマに活動するNPO法人ここずっと(田嶋いづみ理事長)が7月25日、市内のユニバーサルデザインを紹介する「UD(ユニバーサルデザイン)さがみはら」1号を発行した。
ユニバーサルデザインとは「みんなが暮らしやすくなるための工夫」と定義づける田嶋さん。創刊号は市内で高齢者や色覚障害者、外国人などにも伝わりやすい表現や色を使うM(メディア)UDを取り入れる印刷会社や、段差の境目などを色分けして認知機能が低下した人にも分かりやすいよう工夫するデイサービス施設などを紹介する。
通信には音声コードがあることを示す「切り欠き」、文字もユニバーサルデザインフォントが使われている。発行は相模原市地域包括ケア推進課との協働事業によるもの。
もとになったのは、市が発行していた「ユニバーサルデザイン通信」。庁舎のみの配布であったため、市民に対する普及を目指し、同団体がリニューアルをして発行した。
認知度を上げる
相模原市が2022年度に行った市政に関する世論調査で、UDの認知度は28%だった。「UDの普及に努めたい」と、同団体は数年前からUDに関する様々な協働事業を提案してきた。今回の通信発行もそのひとつ。
発行にあたり、市民や事業者を対象にUDに関するアンケート調査を行い、その中から取材先の選定や編集など自分たちで通信を作ってきたという。取材の中で「切り欠き」の技術を導入している印刷会社を紹介されるなど、思わぬ出会いも。
「発行したで終わるのではなく、紙面を手段の一つとしてUDの知名度を高めていきたい」と同団体の小島裕生さんはこれからについて語る。同通信は市内の公民館や図書館に配架されている。年に3回、次号は11月に発行する予定。