自転車事故が市内で多発していることから、安全で適正な自転車利用を目的とした「相模原市安全に安心して自転車を利用しようよ条例」が昨年12月22日の市議会本会議で議員の賛成総員により可決し、同25日に施行された。これを受け、市は現在、条例に含まれる保険の加入義務化について保険の紹介や条例の周知を行っている。条例制定により、自転車事故防止や秩序ある利用に向けて一層実効性のある取り組みの展開が期待される。
市内で昨年1月から12月までに発生した自転車事故は3区合計860件で、そのうち2件は死亡事故。県内の交通事故に占める自転車事故の割合が県平均で約22%なのに対し、市平均は約31%と高い。中央区・南区は自転車の交通安全対策を重点的に推進する、県の「自転車交通事故多発地域」に指定されている。
加えて、他市では自転車事故で相手を死傷させた際に多額の損害賠償を命じられるケースが発生するなど、保険加入の必要性が高まりつつあり、市でも無視できない状況にあった。こうした自転車事故を取り巻く様々な事例を受け、市議会では自転車の交通安全対策の強化が急務と判断。条例制定をめざしていた。今回の条例制定は自転車事故防止に向けた交通安全啓発への取り組みを市全体でより一層推進するとともに、市民の安全意識の高揚を図るねらいがある。
条例は【1】交通ルールやマナーの遵守、【2】幼児・児童、高齢者のヘルメットの着用推奨、【3】学校などでの交通安全教育の実施、【4】自転車事故に備えた保険の加入義務化が主な柱。4つの取り組みについては自転車利用者、保護者、事業者、自転車小売業者などに責務が課せられる。自転車損害賠償保険などの加入については、未加入の場合は事業者に加え、幼児・児童が利用する際はその保護者、市外在住でも市内に通勤・通学などで利用する際は義務化される。現状、罰則規定は設けていない。市は現在、加入している保険の補償内容の確認、または加入を呼びかけている。保険加入の義務化は今年7月1日から施行される。
条例の周知について市議会では、市広報での紹介のほか、交通安全啓発の街頭キャンペーンや市内小・中学校や自治会、関係団体などと連携しながらチラシの設置や配布を通じて努めていく考えを示す。
緑区での昨年1年間の自転車事故発生件数は、北署管内で103件、津久井署管内で33件。北署は「自転車は、道路交通法上では自動車と同じ扱い。原則として車道を通行し、歩行者に十分に気を付けて、交通ルール・マナーをよく守って運転してほしい」と話し、津久井署は「通学や休日のロードレースで自転車を使用する人が多い。今回の条例を機に、我々も自転車の安全に対する意識向上に努めていきたい」と話した。
条例の詳細は市交通・地域安全課【電話】042・769・8229へ。
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