市立小中学校で2019年度から、夏休みが1週間短縮されることとなった。学習指導要領の改訂による授業時間の増加に伴う措置で、中村昌治市議(自民党相模原)の6月定例会議での代表質問に野村謙一教育長が答え、明らかにした。市教育委員会(市教委)では授業数の確保と授業内容の定着へ向け期待を寄せる一方、学校教職員など教育現場からは、職員負担の面で一部懐疑的な声も上がっている。
市教委によると、市立小中学校の夏休み期間は現行7月21日から8月31日までだが、19年度からは7日間短縮され期間が8月24日までとなる。
期間短縮の背景には、国の「ゆとり教育」の見直しに向けた学習指導要領の改訂がある。小学校では20年度から新学習指導要領が適用され、子どもの豊かな心や健やかな体を育成しようと道徳教育や体験活動の充実が推進される。加えて英語を通じた主体的なコミュニケーション能力などを培うため、小学校中学年で「外国語活動」、高学年で「外国語科」が導入されるなど小学校で英語教育を導入・拡充。これに伴い、授業時間が年間で35時間増加することとなる。中学校については学習指導要領の前回改訂時(08年度)に同様の時間数が増加していた。
こうした中、市では16年度から夏休み期間の短縮に向けた協議を開始。増加した授業数を平日の授業時間に割増すか、夏休みなど休日に充てるかは各自治体や学校で独自に定めることができるとされている中、本市では児童や生徒、教員の負担軽減や、授業内容の着実な定着をめざし夏休み期間の短縮で対応することとした。市教委によると、夏休み期間が改訂されるのは1960年の学校管理運営規則で「7月21日から8月31日」と定められて以降初めてという。
今回の夏休み期間短縮の決定を受け、教育現場からも様々な声があがっている。市立小学校の教諭は、「職員の間では、やむを得ないしこれがベターな形という思い。学校単位で職員の負担軽減を対策しないといけない」と話した。一方で、市立中学校に勤める教諭からは、「授業の増加は現状を考えたら必要かもしれないが、増やすことで学力が上がるかは分からない。教員の多忙化が騒がれる中でさらに負担になるのではないか」といった懐疑的な意見も挙げられた。小学生の子を持つ市内30代の母親は「共働き世帯が多いので、夏休みが短縮されれば家庭の負担が減る。親にとっては良いのでは」と話した。
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