相模原市は2月18日、佐野川の上河原(藤野北小学校周辺)で、ホタルが生息する水辺の自然環境の保全・再生活動を行う「上河原たすきの会」(安藤久士会長)の活動区域約0・58haを、「水辺環境保全等活動区域」に指定した。これは、「相模原市ホタル舞う水辺環境の保全等の促進に関する条例」に基づくもので、市内では4カ所目の指定となる。
同条例は良好な水辺環境の指標昆虫でもあるホタルの生息環境の保全等に向けた市民らの活動を促進するために、2009年に施行された。水辺環境保全等活動区域は、ホタルの生息環境の保全等を行う団体からの申し出により市長が指定し、指定区域ではホタルを捕獲して域外へ持ち出す行為などが規制されるほか、保護活動に市の補助が受けられる。市内では、10年に青野原、14年に三ケ木、16年に牧野・中尾の各地区が指定されており、今回で4カ所目となった。
上河原地区は、昭和40年代頃までは数多くのゲンジボタルが生息していたが、その後、次第に減少していき、一時期は年に約10匹を観測する程度まで減少していた。そうした中、2000年4月に近隣住民有志11人が上河原たすきの会を設立。以後、ホタルが生息出来る環境整備のため、沢井川近隣の水路の整備をはじめ、清掃や除草、下草刈りなどの活動に精力的に取り組んできた。その結果、昨年は指定された区域内で200〜300匹のホタルを確認することができるほどまでに環境は回復した。「ホタルの生息には水が大切。環境を整えれば、緑区のどこの場所にもホタルは生息できる」と同会のメンバーは話す。
こうした活動を支援するため、活動区域の指定のほか、市は昨年からホタルの保護に取り組む団体を集め、情報交換会を開催。「今年1月の交換会には8団体が参加するなど近年、各地域でホタルの保護に対する意識が高まっている。こうした活動に少しでも協力していきたい」と市は話す。
次世代にホタルを残す
3月1日に、同会が指定区域で行う活動に対する認定書の交付が津久井総合事務所で行われた。
交付には同会から安藤久士会長のほか、秋間清次氏と神田正春氏も出席。毎年6月に行っている「ふじのホタルの里祭り」に横浜市や川崎市のほか、県外からも数多くの来場があることや、祭りの開催と、ホタルが見られる時期を合わせるのが難しいことなどを説明。合わせて、通常は1週間程度というホタル観賞のピーク時期を延ばす試みにも取り組んでいることなどを話した。
交付を受けた安藤会長は、「ホタルが見られる環境づくりは自然保護にもつながる。我々世代の大切な役目。次世代に良い形でこの宝を引き継いで行けるよう活動していきたい」と展望を語った。
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