自然や人間の営みを見つめた記録映画やドキュメンタリー作品を集めた上映会『さがみ人間未来フィルムフェスティバル』が4月21日(日)、杜のホールはしもと8階多目的室で開かれる。映画監督やカメラマンなど映像に携わり、相模原にゆかりのある有志で組織される同実行委員会が主催。今回は、旧藤野町の伝統芸能に密着したドキュメンタリー映画「藤野村歌舞伎」が初公開されるなど、全7作品が披露される。
実行委員長で映像カメラマンの能勢広さん(49)らが、上映施設が市内に乏しいことや、自らも手がける記録映画が劇映画に比べて公開の場が少ないことなどから2016年に立ち上げた上映会。子どもや生き物、文化などを根底とした「人間賛歌」をテーマとしており、「作品を観て、未来へ向けて前向きな気持ちになってもらいたい」という思いが込められている。第1回から杜のホールを会場に開催し、今回が4回目。地元の映画祭として少しずつ浸透してきた。
今回の目玉は、藤野地域に伝わる村歌舞伎を追ったドキュメンタリー映画「藤野村歌舞伎」(村上浩康監督/18年/60分)で、同実行委員会として初めて製作した作品。
藤野の村歌舞伎は、明治時代から地元住民の娯楽として親しまれてきた伝統芸能。住民が自ら演者から裏方まで務める。戦後に衰退し1965年を最後に公演が途絶えていたが、92年に地元有志により復活。以後毎年、藤野村歌舞伎保存会(諸角安治会長)によって定期公演が行われ、今年も10月5日・6日に上演が予定されている。市の登録無形民俗文化財でもある。藤野に生息する「ギフチョウ」や2003年に閉校した篠原小学校など、旧藤野町に関する映像作品に能勢さんらが携わる中で村歌舞伎とのつながりができ、今回の企画が実現した。
撮影は昨年5月頃に始まった稽古から、10月に藤野芸術の家で行われた第27回公演まで約半年間かけて密着。村歌舞伎の歴史や伝統を受け継ぐ人々の思い、地域の結びつきを記録した。能勢さんは「伝統芸能をボランティアで伝え続けている人たちの姿を観てもらい、応援してもらいたい。こうした文化や自然、生き物を陰日向で守っている人がいることを知ってもらえたら」と思いを語る。
同保存会の諸角会長は「映画用に動画として一般の方に公開するのは初めて。いつも公演を観ていただいている方にも、普段はお見せしない稽古や舞台裏の様子が、スクリーンでお楽しみいただけるのでは」と話す。
上映会では7作品を公開する。午前11時30分開演(11時開場)で午後7時5分終了予定。そのほかの6作品は人形アニメ「遣唐使ものがたり」、短編映画「お蚕さま」、記録映画「坂網猟 人と自然の付き合い方を考える」、ドキュメンタリー「心理学者 原口鶴子の青春・100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと」、記録映画「会津 冬木沢参りの習俗」、ドキュメンタリー「蟹の惑星」。藤野村歌舞伎の上映は1時20分。料金は当日券のみで大人800円、中学生以下無料。入退場自由。定員200人先着順。
問合せは【電話】042・777・5557能勢さん。
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