黒岩祐治県知事は7月1日、県議会と共同で策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念普及に取り組む現場として、アリオ橋本を訪問し、運営会社である(株)セブン&アイ・ホールディングスが実施する「障がい理解研修」を視察した。津久井やまゆり園の事件発生からまもなく3年。共生社会の実現に向けた県の取り組みが、企業との連携を通じても進められている。
この視察は、黒岩知事が2011年度の就任当初から実施している、“個性と魅力あふれる現場”を訪れる取り組み『黒岩祐治が行く!神奈川の現場』の一環。神奈川県と同社は今年4月に、「SDGs(持続可能な開発目標)推進に係る連携と協力に関する協定」を結んでおり、その中に共生社会の推進に関する連携事項も盛り込まれた。今回、この協定に基づき同社では、イトーヨーカドーなど県内のグループ7社の従業員を集め、県の障害者理解促進研修コーディネート事業を活用した研修を実施。それを、知事が視察する運びとなった。
研修では障害当事者が講師を務め、従業員77人が参加。障害者に対する接客の基本やコミュニケーションの方法、障害の特性や場面に応じた配慮などの講義を聴き、実習を行った。
視覚障害者への接客対応実習では、二人一組となり、アイマスクで目を覆った相手に対して、指定された女性用衣類の商品説明を声だけで試みた。黒岩知事も両目を隠し、ペアを組んだ女性の説明に耳を傾けた。
この後、知事は車いす利用者の介助体験にも参加。机を並べて設置した狭い通路や段差を実際に車いすに座って体感した。研修に参加して知事は、「目の見えない人に商品を説明するというのは難しい。(相手が)女性か男性かでも違う表現をしないと伝わらない。普段から練習することによって、そういうことがわかってくる。障害者の立場でものを考えるという訓練が、非常に重要なことだと感じた。憲章を広く普及させようとしている中で、それに共感してくださり、このような研修につながったというのは、とてもうれしい」と話していた。
県内グループ7社が共同で研修を行ったのは、同社でも初めてのことだという。同社は、「今回、知事に視察および研修にご参加いただいたことで、神奈川県とセブン&アイのノーマライゼーションの取り組みが良いスタートを切れた。神奈川県をより住みやすい地域にするために、接客を通じて地域の皆様の暮らしを支えてまいります」とコメントした。
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