二本松在住の吉川大地さん(28)がこのほど、2019年秋の紅綬褒章を受章した。受章の一報を受けた時は、「何を言われているのかわけがわからず、びっくりした」と吉川さん。受章のきっかけとなった人命救助について当時の現場を振り返り、その様子を語った。
全国で6人
紅綬褒章は、自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した人を対象に、毎年春と秋に天皇陛下から授与される褒章の一つ。紅綬褒章は今回、全国で6人(いずれも男性)が受章。県内では吉川さんが唯一の受章者となった。また、県内の褒章受章者51人の中で、吉川さんが最年少だった。
「あと3秒」で接触
3月17日の午前11時40分頃。勤務先の靴店へ出勤するため、吉川さんは二本松の自宅から、店舗が入っているイオン橋本店へ自転車で向かっていた。橋本6丁目のJR横浜線大山街道踏切で、八王子方面からの電車待ちのため遮断機が下りたその時だった。一人の女性が遮断機をくぐり、線路内に進入した。「何をしているんだろう。まあ、渡り切るだろうな」。吉川さんはそう思ったものの、女性は線路上に止まり空を見上げて動かない。電車は警笛を鳴らしてもう目の前に接近している。「非常ボタンを押している余裕もなかった」と、とっさに自転車を飛び降りた吉川さんは、遮断機をくぐり、走って女性の腕を引き、最後は抱きかかえるようにして反対側で踏切を待つ人の中に飛び込んだ。
「頭の中が真っ白だった」。間一髪で電車との接触を免れ、誰かが呼んだ救急車の音が響いた。たまたま近くにおり、警笛を聞いて駆けつけ、一部始終を目撃した白バイ隊員から「ぶつかったと思った」と言われるほどのタイミング。のちに電車の車載カメラで確認した警察からは「3秒遅れたら当たっていた」と言われたという。「その女性しか見ていなかったので電車が目に入らなかった。周りの人の話を聞いて、後でゾッとした」と吉川さん。勤務先へ着き緊張の糸が切れると全身が震えて鳥肌が立ち、「しばらく仕事が手につかなかった」という。
吉川さんはその後、人命救助の功労を称えられ、4月23日付けで北警察署長、市消防長、神奈川県警本部長から立て続けに感謝状を贈られた。さらに、4月25日付けで警察庁長官からも同様の表彰を受けた。
「それで終わった話だと思っていた」という吉川さん。今回の受章は、「まったく考えていなかった」と驚いた表情を見せていた。
「社会に貢献したい」
「ああいった場面に出くわすと恐怖心がなく、無意識に動いている」と話す吉川さん。実は、人助けは今回が初めてのことではないという。
高校生の頃、下校時にバスを待っていた吉川さんの目の前でオートバイと車が衝突。道を横切ってオートバイの運転手に駆け寄り、安否確認や誘導を行った。また、自宅前でオートバイと車が接触した時は、たまたま家の外におり、一目散に運転手の元に駆け寄った。
「曲がったことが嫌いなのと、思ったらすぐ動く性格が結びついているのかも」と吉川さん。「でも、一番はそういう場面に出くわしたくない。そういう人が出てほしくない」。今後は、「より社会に貢献できるような人間になれたら」と話した。
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