相模原道志川流域キャンプ場経営者協議会の代表として復興に尽力する 野呂 正人さん 青野原在住 65歳
道志川の水は地域の宝
○…澄んだ水が特長の道志川。その流域約10Kmには11のキャンプ場が集まる。年間約15万人以上が訪れ、「キャンプ場銀座」と呼ばれるほど人気が高い。台風19号により、これらキャンプ場は壊滅的な被害を受けた。ほとんど復旧のめどが立たず、休業に追い込まれている厳しい現状と支援を市に訴えるため、地元県議の呼びかけにより、「相模原道志川流域キャンプ場経営者協議会」を設立した。「個々の努力が大切だが、限界がある。できるだけ早い支援をお願いしたい」
○…オーナーを務める「青野原野呂ロッジキャンプ場」は、東京オリンピック前年の1963年に父親が開業した。「子どもの頃からキャンプ場が遊び場で、当時はキャンパーのマナーも悪く、良くゴミ拾いをしていた」と振り返る。夏には川遊びに来る親子連れがメインとなるが、シーズンオフの冬にも定年前後までの男性が一人キャンプに訪れる。「彼らと仲良くなり、色々な話をするのが楽しみ。今ではほとんどキャンプ場で寝泊まりしている」と笑う。
○…20代、30代はカーレースの世界に身を置き、一流のエンジニアとして活躍し、数々の賞を受賞した。レースの世界は危機管理に対する意識が非常に大切で、キャンプ場経営にも役立っている。「キャンプ場は安全が最も大切。事故なく、楽しく利用して頂けるよう配慮していきたい」
○…4つのバンガローや子どもの遊び場となっていたヘリコプター、キャンピングトレーラーなどキャンプに必要なものは全て流された。台風直後は、ボランティアで復興の手伝いをする申し出が100人を超えたという。「再開を楽しみにしているファンが大勢いる。年内には開業に向けためどをつけたい」と願っている。