WEB版タウンニュースさがみはら3版合同連載コラム 「コロナに負けない」 第4回(全6回)
新型コロナウイルス感染症拡大防止に向け、市内のさまざまな分野で尽力されている方々の取り組み、思い、市民へのメッセージをお聞きします。
支えているのは「使命感」 相模原市衛生研究所 微生物班担当課長・播磨由利子さん
相模原市内の新型コロナウイルス感染症PCR検査の大半を担っている相模原市衛生研究所(中央区富士見・中村廣志所長)。同所が初めて検査を行ったのは2月14日、ダイヤモンドプリンセス関連の検体だった。「その時私は県の衛生研究所に派遣されていたのですが、職員は皆、未知のウイルスの検査で恐怖でいっぱいだったと聞いています」。自分の出した結果が正しいのか不安で、複数の検査法を行い、国や県に何度も相談の電話をかけたという。日本でもまだ数例しか出ていない時期に、全国の検査の10%を相模原が行っていた。「1日の検査数は4月が最も多かったですが、気持ちの上では2月が一番苦しかった」。以降、市内67カ所の医療機関から検体を受け取り、今までに2986件の検査を行ってきた(5月18日現在)。1日の平日あたりの依頼検体数は平均50件前後。「まだまだ必要とされているんだ、ということを励みに頑張っています」
市内の医療機関で採取された検体は、市疾病対策課担当者の手により、専用のバッグに入った形で午前と午後の1日2回届く。検査を行っているのは薬剤師や臨床検査技師ら6人の職員。50件前後の検体をその人数で行っている。検査で最も危険なのは「検体の前処理」だという。検査室は二重になっており、透明の板で覆われたキャビネット内に、白衣と手袋をした手だけを入れて作業する。試薬の入ったプレート内にある小さい96個の穴に、検体5マイクロリットル(小さじ1000分の1程度)をピペットを使って一つ一つ入れていく。この作業はとても細かく神経を使い、危険も伴う。「検査経験のある人にしかお願いできない。付け焼刃では到底できない作業」。その後、プレートを「リアルタイムPCR」という検査機器にかけ、1時間半ほどで結果判定が出る。全ての作業にかかる時間はおおよそ5〜6時間。検査機器は3月下旬に2台から3台に増えたが、作業にあたれる職員には限りがある。また同所では、新型コロナ以外の感染症や食中毒、水質検査なども行っている。それでも「頑張って、1日120件できる体制を整えたい」。
次の波に備え
国立感染症研究所によれば、新型コロナウイルスは、その変化の型によって主に中国株、ヨーロッパ株、アメリカ株の3つに分けられるという。「第1波はダイヤモンドプリンセスの頃の中国株、第2波はいつの間にか入ってきたヨーロッパ株。現在、新規陽性患者数は4月中旬をピークに減少傾向にありますが、それでも残念ながら第3波は来ると思う」と気を緩めず、緊張感を持ち続ける。「第3波は、ヨーロッパ株の生き残りの再燃か、アメリカ株が入ってくるのでは」と推測。見えない波に備え、「ミスをしないよう気を付けながら粛々と検査を行っていく」と語り、「社会貢献できる機会を得られたことに感謝している」と真っすぐ前を向いた。「市民の皆さんのために、コロナ終息に向けて最後まで頑張っていきたい」と語る姿には、職務に対する使命感と誇りが溢れていた。
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「共にささえあい 生きる社会」相模原市は、全ての人が共に支えあって生きる共生社会の実現を目指しています。 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026641/1012901.html |
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