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WEB版タウンニュースさがみはら3版合同連載コラム 「コロナに負けない」 第4回(全6回)

公開:2020年5月21日

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◆プロフィール:星薬科大学を卒業後、県立病院勤務を経て2000年に相模原市に入庁、衛生研究所に配属され衛生検査の職務にあたる。現在は微生物班担当課長。
◆プロフィール:星薬科大学を卒業後、県立病院勤務を経て2000年に相模原市に入庁、衛生研究所に配属され衛生検査の職務にあたる。現在は微生物班担当課長。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止に向け、市内のさまざまな分野で尽力されている方々の取り組み、思い、市民へのメッセージをお聞きします。

支えているのは「使命感」 相模原市衛生研究所 微生物班担当課長・播磨由利子さん

 相模原市内の新型コロナウイルス感染症PCR検査の大半を担っている相模原市衛生研究所(中央区富士見・中村廣志所長)。同所が初めて検査を行ったのは2月14日、ダイヤモンドプリンセス関連の検体だった。「その時私は県の衛生研究所に派遣されていたのですが、職員は皆、未知のウイルスの検査で恐怖でいっぱいだったと聞いています」。自分の出した結果が正しいのか不安で、複数の検査法を行い、国や県に何度も相談の電話をかけたという。日本でもまだ数例しか出ていない時期に、全国の検査の10%を相模原が行っていた。「1日の検査数は4月が最も多かったですが、気持ちの上では2月が一番苦しかった」。以降、市内67カ所の医療機関から検体を受け取り、今までに2986件の検査を行ってきた(5月18日現在)。1日の平日あたりの依頼検体数は平均50件前後。「まだまだ必要とされているんだ、ということを励みに頑張っています」

 市内の医療機関で採取された検体は、市疾病対策課担当者の手により、専用のバッグに入った形で午前と午後の1日2回届く。検査を行っているのは薬剤師や臨床検査技師ら6人の職員。50件前後の検体をその人数で行っている。検査で最も危険なのは「検体の前処理」だという。検査室は二重になっており、透明の板で覆われたキャビネット内に、白衣と手袋をした手だけを入れて作業する。試薬の入ったプレート内にある小さい96個の穴に、検体5マイクロリットル(小さじ1000分の1程度)をピペットを使って一つ一つ入れていく。この作業はとても細かく神経を使い、危険も伴う。「検査経験のある人にしかお願いできない。付け焼刃では到底できない作業」。その後、プレートを「リアルタイムPCR」という検査機器にかけ、1時間半ほどで結果判定が出る。全ての作業にかかる時間はおおよそ5〜6時間。検査機器は3月下旬に2台から3台に増えたが、作業にあたれる職員には限りがある。また同所では、新型コロナ以外の感染症や食中毒、水質検査なども行っている。それでも「頑張って、1日120件できる体制を整えたい」。

 次の波に備え

 国立感染症研究所によれば、新型コロナウイルスは、その変化の型によって主に中国株、ヨーロッパ株、アメリカ株の3つに分けられるという。「第1波はダイヤモンドプリンセスの頃の中国株、第2波はいつの間にか入ってきたヨーロッパ株。現在、新規陽性患者数は4月中旬をピークに減少傾向にありますが、それでも残念ながら第3波は来ると思う」と気を緩めず、緊張感を持ち続ける。「第3波は、ヨーロッパ株の生き残りの再燃か、アメリカ株が入ってくるのでは」と推測。見えない波に備え、「ミスをしないよう気を付けながら粛々と検査を行っていく」と語り、「社会貢献できる機会を得られたことに感謝している」と真っすぐ前を向いた。「市民の皆さんのために、コロナ終息に向けて最後まで頑張っていきたい」と語る姿には、職務に対する使命感と誇りが溢れていた。
 

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