津久井警察署の新署長に就任した 田上 数仁さん 津久井署管内在住 56歳
治安向上に地道な活動
○…「明治19年に開署した歴史ある署だけに、身が引き締まる思い」。自身初めての署長職に就き、津久井の街の第一印象をそう語る。前部署は横浜の県警本部。津久井地域は自然が豊かな一方、災害の危険性が高い区域でもある。台風19号のような自然災害に備え、普段から消防・自治会・商工会・住民などと「顔の見える関係」になることが、緊急時の大きなアドバンテージになるという。
○…北海道生まれ。小学生のときに家族で平塚に越してきた。早くに亡くした父の代わりに家族を支えるため、高知県警に勤めていた叔父の姿を目標に警察官の道を選ぶ。以来約40年間、「地道な活動が安全な世の中につながる」と誠実さと堅実さを胸に歩んできた。
○…長年、横浜エリアの歓楽街を取り締まる業務に力を注いできた。世を騒がす大事件ほどには注目されないかもしれないが、夜の歓楽街は犯罪の温床になることが少なくない。違法ビデオ、違法賭博、違法店舗の摘発など、次から次へと生まれる悪行の芽を摘んだ。「殺人事件などと違って特定の被害者は生み出さないかもしれないが、市民が安全に暮らしていくには治安維持が非常に大事」。その信念は、この津久井でも十分に生かすつもりだ。
○…歴史が色濃く残る津久井地区を知るため、暇を見つけてはバスを乗り継ぎ相模湖や藤野などに足を延ばす。家族と2匹のトイプードルを平塚に残しての官舎暮らしも板についてきた。延期となっている東京オリンピックのロードレース競技の、コロナ禍に即した警備体制の仕切り直しも迫っている。「準備もあるので署員一丸となって取り組みたい」。新しい司令塔として、その手腕が期待される。
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