相模原市教育委員会(市教委)はこのほど、2023年4月から鳥屋小学校(鳥屋1321の3)と近隣にある鳥屋中学校(鳥屋1339)を統合し、小中一貫の義務教育学校に移行する方針を発表した。新校は、鳥屋中学校の校舎を増改築して使用する。鳥屋小学校の一部は、リニア中央新幹線の車両基地が建設される予定となっている。市内での義務教育学校は2校目。
鳥屋地区は、リニア車両基地が地区内に建設されることが決定して以降、2017年に「鳥屋小学校・中学校の教育環境の保全に関する要望書」が、18年に「鳥屋地域の地域振興に関する要望書」が地域住民から提出されるなど、教育環境の充実と地域振興対策を求める声が上がっていた。そうした中、市教委は鳥屋小・中学校の児童・生徒数が少人数で、通学区域が一致していることなどの地域特性を踏まえ、小中一貫となる義務教育学校移行の検討に着手。地域と協議を重ね市内2校目となる一貫校への移行を決定した。
新校は、鳥屋中学校の校舎を増改築して使用。鳥屋小学校の体育館が車両基地建設地と重なるため、鳥屋小学校体育館は撤去し、その他の施設は地域と協議し活用方針を決めていく予定。体育館の全撤去費用と鳥屋中学校校舎の増改築費用の一部を、リニア中央新幹線の整備を進めるJR東海が負担することも確認されている。
市教委はこの方針を、昨年12月25日の「鳥屋地域振興協議会全体会、リニア中央新幹線鳥屋地区車両基地対策委員会、鳥屋小・中PTA役員会合同会議」と、1月28日の「鳥屋小・中学校合同保護者説明会」で報告。2月からは鳥屋地域の各自治会を通じて回覧を行っている。今後は、2021年度に新校舎の調査・設計を行い、22年度から工事を開始する予定。
一貫教育の効果を
鳥屋小学校は現在、1年生8人、2年生11人、3年生4人、4年生10人、5年生11人、6年生11人、特別支援学級3人の計58人(20年5月現在)の児童が通っている。市教委は、鳥屋小・中学校は100mほどの距離で近接しており、通学への影響はほとんどないと見込む。市教委によると、昨年4月に市内初の義務教育学校に移行した青和学園(青野原)は、コロナ禍の影響で登校が遅れ結果がまだはっきりとしていないものの、小中一貫教育校ということで、中学校で通常行われ、学科ごとに専門の教諭が授業を行う「教科担任制」を小学校の授業で取り入れるなどその効果を想定する。市教委は「9年間見通した教育活動をより効果的に展開できる学習環境を整備し、車両基地建設とともに地域振興へもつなげていきたい」と話した。
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