橋本にある旭小学校(福田雅一校長)で10月23日、東京2020オリンピック・パラリンピックで実際に使われたトーチを借り受けての疑似聖火リレーが行われた。同校からの提案で実現したもので、トーチを所有している市オリパラ推進課の担当者は「市内で初めての貸し出し例では」と話している。
旭小学校の5年生は今年度、「総合的な学習の時間」でオリ・パラについて学びを深めてきた。その中で、6月に区内で行われた聖火リレーの点火セレモニーを見た児童の一人が「実際にセレモニーに参加した人の話が聞きたい」と提案。相談を受けた市オリパラ推進課が、陸上女子マラソン視覚障害クラスの道下美里選手の伴走者を務める青山由佳さん(市職員/南区在住)を紹介し、7月上旬に青山さんと5年生約90人とでオンライン交流会を行った。
交流会で青山さんは、参加した点火セレモニーでの「トーチキス」(次の聖火ランナーへの聖火の受け渡し)の様子や伴走者(ガイドランナー)になるきっかけなどの話を披露。話を聞いた児童たちはさらに興味を深めた。同校は今年創立120周年を迎えることや、秋に運動会を控えていることから、オリパラの象徴でもあるトーチを運動会で使用できないかと市に打診。市の許可を得て、今回の疑似聖火リレーの実現に至った。
今回使われたのは、市が購入・所有しているトーチ2本。今夏のオリパラで使われたもので、「桜」をモチーフに、東日本大震災の仮設住宅のアルミ廃材が使われている。オリ用とパラ用で色味が異なり、パラの方は点字が入っている。
テープで聖火を再現
当日は、5・6年生各2人がトーチを掲げながら校庭をリレー。教員手作りの聖火台にトーチを近づけると、聖火を模したすずらんテープが扇風機の風で「点火」。児童や保護者たちからは大きな拍手が沸き起こった。走者の一人だった角田琉晴さん(6年)は、「保護者や学校の人に笑顔で手を振って、本物の聖火ランナーのような気持ちになった」と顔をほころばせた。
5年生担当の馬場裕亮教諭は、「本物のトーチを使用することができて驚いている。5年生は昨年度からパラスポーツについて調べていたので、とてもいい経験になったのでは」と話した。
市では今回の旭小の例を皮切りに、同トーチの教育的活用を検討しているという。
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