全国で優れた取り組みを行っている商店街を称える「はばたく商店街30選」が昨年12月22日に発表され、橋本商店街協同組合(古橋裕一理事長)が市内で初めて選定された。同商店街が運用する「橋本アプリ」を活用したイベントや、増加傾向にある会員増強への取り組みが評価されたと見られ、古橋理事長は「先人たちが築き上げ、守ってきた今を大切にしながら新しいことにチャレンジしている」とコメントしている。
「はばたく商店街30選」は、経済産業省の外局である中小企業庁が2年に1回実施。革新的な製品・サービス開発、地域経済の活性化、多様な人材活用の観点から、「優れた取り組み」を行っている商店街を表彰している。選定方法は、日本商工会議所や全国商工会連合会などから推薦を受け、その後、有識者による厳正な審査で決定される。
1965年に市内で初めて法人化した同商店街は、現在は会員約150人、店舗約500店が加盟する。今回評価された取り組みのひとつが、2018年から運用を開始する商店街公式情報発信ツール「橋本アプリ」。これは、"スマートフォン"に特化し、ファミリー層をターゲットにする情報発信強化策として開発したもの。ユーザーは、商店街のイベント情報や加盟店のクーポンなどがアプリから獲得できるようになっており、持続的な販促・宣伝ツールとして期待されている。
実際に、一昨年に行われた「新春ビンゴ大会」では、口コミや同アプリによる告知で定員を超える参加者が集まるなどの効果を発揮。また、商店街からの一方的な情報発信だけではなく、写真コンテストなどに使える画像のアップロード機能なども盛り込まれているため、ユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能に。現在も、同アプリを活用したスタンプラリーイベントが開催されている。
こうした取り組みが功を奏し、18年に8人、19年に12人だった商店街の新規加入者が、同アプリを組合事業の柱として位置付けた20年には、上半期だけで20人が加入。アプリに関しては、20年末の時点で約3000近いダウンロード数に上っている。
古橋理事長は「先人たちが築き上げ、守って来たからこそ今がある。その事実を大切にしながらも、どんどん新しいことにチャレンジしている」と方針についてコメント。12月22日に行われたオンライン授賞式では、コロナ禍に配慮し、選定された30商店街のうち代表商店街のみの出席となったが、同商店街には賞状などが追って贈られるという。
今回の選定では橋本商店街の他に、県内ではひらがな商店街(横浜市中区)、衣笠商店街連合会(横須賀市)が選ばれている。
かながわ商店街大賞では優秀賞
また同商店街は、昨年12月に発表された「第10回かながわ商店街大賞」でも、中央区の上溝商店街振興組合と共に大賞の次点となる優秀賞に選出されている。これは県内の商店街で、同様に優れた取り組みを表彰するもの。コロナ禍で商店街活動に制約がある中で、アプリを取り入れた情報発信や、店舗日替わりで路上弁当販売などを行う「はしべんプラス」などの加盟店支援策などが評価された。
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