国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙教育センター長に4月1日付で就任した 北川 智子さん 中央区淵野辺在住 42歳
宇宙通じて視野広げて
○…ロンドン科学博物館で宇宙に関する展示を担当していた時、同センター長の公募を見つけた。教育のデジタル化や国際化の推進など、「めざす教育像と共鳴した」と応募。宇宙の素材を活用してその使命を果たすべく任に就いた。「宇宙から地球を見ればそこに国境は見えない。地球に今、何が必要なのか、子どもたちにはローカル、グローバル、さらに宇宙と、広い視野を持って考えて欲しい」
○…福岡県出身。「好きなことをとにかく突き詰めたい」という性格から、得意な数学を深めようと高校は理数科へ。カナダで過ごした大学時代、言葉が通じない時には数式でそれを補完したほどだった。一方、翻訳のアルバイトで日本史史料に触れて興味を持ったことから思い切って歴史学者に転向。29歳でハーバード大の教壇に立つと、日本史にデジタルの要素を織り交ぜ、理系学生も集まる人気講座に。その後は「数学史」を研究。持ち前のフットワークでアメリカやイギリス、南アフリカと多くの国を渡り歩き自らの視野を広げていった。
○…相模原に転居してきた3月、市役所前の満開の桜並木の美しさに圧倒された。休日はお菓子作りに夢中で、「今度は宇宙をモチーフにしたスイーツを作ってみようかな」とはにかむ。
○…原動力は好奇心。興味の向くままに目の前の研究に全力を尽くせば、次に取り組むべきことは自然と見えてきた。新たなステージ相模原では、幼稚園児から高校生を対象とした教育に注力。就任早々、日本中から参加できる宇宙教育プログラム作りに着手しているところだ。「宇宙を通じて、どんな子どもも地球規模の課題に臨めるよう、相模原をベースにオール・ジャパンへ教育活動を展開したい」
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