2020年3月に閉校した市立青根小学校・青根中学校の閉校記念式典が6月11日、同中学校の体育館で開催された。新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていたが、2年越しに開催。両校の長い歴史に幕が下りた。
閉校記念式典は当初、20年3月に開催するはずだったが、新型コロナの流行を受け延期。感染状況を見て、今回のタイミングで開催となった。
式典当日は、卒業生、教職員ら約250人が参加。主催者としてあいさつに立った閉校記念事業実行委員会の加藤健会長は、冒頭で地域や関係者のこれまでの支援に感謝を述べると、「青根小、青根中は長きにわたり先生方、地域の皆様の協力によって伝統を積み重ねてきた。現在、青根から青和学園に通っている子どもたちが、『勉強は大変だけれど、学校は楽しいよ』と笑顔で話してくれるのを見て安心している」と話した。
「青根中のおかげ」
さらに、卒業生代表としてあいさつした天野武蔵さん(17)は、「青根中が閉校になるため、4月からは1人で青野原中へ通わないといけないと言われ、受け入れることしかできない自分が悔しくてたまりませんでした。青根中の先生方や先輩と別れ別れになってしまうけれど、しっかり学び、高校へ行く。そしていつかまたみんなで笑い合おうと約束し、自分なりに心の整理をつけたことを今でも覚えています」と振り返り、「青根中は閉校となってしまいましたが、私の今があるのは青根中で学んだ2年間のおかげです。先生方、地域の方々、本当にありがとうございました。先生方や先輩方と過ごした、あのかけがえのない日々は一生忘れません」と話した。
式典では、校旗・校章旗が返納され、ソプラノ歌手・横井香奈さんによる両校の校歌独唱も行われた。式典の後には、アトラクションとして、親交のあった東京フィルハーモニー交響楽団の首席チェリスト・金木博幸さんらによる記念コンサートも開催された。
当時を懐かしむ
当日は多くの卒業生が式典に参加。恩師との再会、記念撮影を楽しみ、思い出話に華を咲かせた。1986年に青根中を卒業した金井久美子さん、菅紀子さん、高足葉子さんも式典に出席。当時を懐かしんだ。「私たちは、ちょうど中学3年の時に新校舎が完成して、新校舎の1期生」と振り返る。「同じ学年は18人いた。新しい校舎ができたタイミングだったので、新しくなって嬉しかった記憶がある。その学校が閉校と聞いて実感があまりない。とても淋しいですね」と話す。一方で「子どもたちの立場になったら、たくさんの仲間と一緒に学び合うのが良いと思う」と理解を示す。「式典が終わったら当時の先生を交えて同窓会をします」と卒業生にとって特別な1日となった。
青根小と青根中は、地域の子どもの減少などを理由に閉校。地域が隣接する青野原小、青野原中で開設した小中一貫の青和学園に移行し、20年4月にスタートを切っている。
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