津久井商工会の次世代まちづくり構想委員会(網野通委員長)は、リニア中央新幹線関東車両基地回送線の旅客化を求める署名活動を2月からスタートさせる。これは、橋本に新設される予定の神奈川県駅(仮称)から鳥屋の車両基地までを、乗客のいない回送線ではなく、客を乗せる旅客線として営業運行を望むもの。網野委員長は「ぜひ多くの方に署名の内容を知っていただき、ご賛同いただければ」と話す。
同委員会では、旅客線化の先に、市民生活の向上、次世代に向けた住み良い明るい地域社会の構築の実現を見据える。具体的には、車両の点検や臨時修繕を行う車両基地への部品供給や清掃などの関連企業の受注や新たな雇用の創出、人口減少への歯止め、津久井広域地域・清川村へのアクセス向上、リニア見学施設として車両基地を開放することによる宮ヶ瀬湖をはじめとした周辺観光地との回遊性向上、新たな経済の発展などを挙げる。
回送線の旅客線化については、2017年に同委員会が中心となり、旧津久井郡4町の商工会、観光協会、自治連、民間企業などで「リニア中央新幹線関東車両基地回送線の旅客線化を求める市民協議会」を設立。署名活動の話もあった。
しかし、その後の市長選挙、台風19号、新型コロナウイルスの流行などで実施のタイミングが掴めず先延ばしとなっていた。「すでに工事が始まっているし、もう時間がない。一刻も早く声を上げていかないといけない」と、コロナの流行が一段落したとして、今回の署名活動の実施を決めた。
同商工会の関戸昌邦会長は、「神奈川県に唯一できる駅が通過だけ、乗り換えだけの駅になってはいけないし、駅周辺だけが盛り上がるようではいけない。津久井地域は山や自然、ダムなどがあり、地域全体が日本庭園とも呼べる場所。旅客線化で地域に人が入り、自然と共生する地域を実現したい」と力を込める。
全国では、山陽新幹線の博多駅から博多総合車両所(博多南駅)への回送線が、地域の要望で在来線として運用されている事例もある。
ムーブメントを
署名活動は2月から市内各所でスタートさせる。署名は事務局の津久井商工会へFAX、ホームページから提出することも可能。なお、ホームページは現在調整中で準備が整い次第アップする。署名は一定の数が集まった時点で、国をはじめ関係各所に要望と共に渡す予定。網野委員長は「一人でも多くの方に賛同いただき、旅客線化に向けたムーブメントを起こし、士気を高めていきたい」と呼びかける。また、同委員会では、署名活動に賛同する企業や団体を募っている。
署名の詳細、問い合わせは事務局の津久井商工会・井上事務局長【電話】042・784・1744。
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