第50回全日本中学校陸上競技選手権大会(全中)が8月22日から愛媛県総合運動公園で開催され、旭中3年の鴨田るなさんが走り高跳びで優勝し、大会2連覇を果たした。鴨田さんは「2連覇を目標にしてきたので達成できて良かった。支えてくれたたくさんの人たちに感謝したい」と喜んだ。
全国大会は雨の中での勝負となった。鴨田さんは1m54からスタート。「1本跳んで記録を残そう」と余裕を持ってこれをクリアすると、次の1m57をパス。「弾みをつけるために」と1m60を跳ぶと、この時点で入賞が確定した。さらに、「今年に入ってから落としたことがない」という1m63も1発でクリア。続く1m66では助走や踏み切りがうまくいかず2連続で失敗。ところが、3本目を跳ぶ前に全員が失敗したことで、この時点でこれまで1発でクリアしてきた鴨田さんの優勝が決まった。「ここで終わるのは悔しい」と3本目に臨んだが、「高く跳ぶことを意識し過ぎて踏み切りが甘くなってしまった」と失敗に終わった。鴨田さんは「1年前の福島大会は会場が大きかったり周りの選手の雰囲気に飲み込まれた感じだったけど、今年は自己ベストが伸びてきていたし、昨年の大会で一度来ている会場だったので、自信を持って臨めたのが良かった」と勝因を分析する。
王者の重圧
昨年、2年生で全国優勝し、それからの1年間はプレッシャーとの戦いだった。昨秋のU16陸上競技大会が終わり年が明けると、競技者や他校の教諭から「おめでとう」などと祝福を受けることが増え、それがプレッシャーに変わっていった。「ご飯が食べれなくなったり、緊張がすごかった」と振り返る。
今大会の前日も激しい緊張に襲われたが、宿泊した宿がバイキング形式の食事だったため、量を調節したり好きな食べ物を取るなどして緊張を和らげた。そして迎えた大会当日。緊張はなかったと言う。「走り高跳びは気温が高いと記録が出やすいと言われていて、でも当日は雨が降っていたので、楽しめればいいやと切り替えることができた」と話す。
顧問の西川鉄兵教諭は「大きなプレッシャーを力に変えて勝ち切ったのは素晴らしい。記録はこれからも更新のチャンスがあるが、全中で優勝するというのは今回しかなかった。そこで勝ち切れる勝負強さはまさにアスリート」と評する。
そして、重圧に苦しむ中で鴨田さんを支え続けたのは家族だった。「気遣ってくれたり、とにかく存在が支えだった。家族には感謝の気持ち。特にお母さんは送り迎えや食事の面で支えてくれた」と感謝を口にする。
3つの目標
2連覇を果たした鴨田さんは次の目標を見据える。「10月の県総体は最後の県大会。2年の時からずっと優勝しているので今回も優勝したい。そして県記録超えの1m76を狙いたい」と意気込む。10月の国体の県代表にも選ばれており、「国体は高校生と勝負することになる。インターハイを目標にしているので、まずは3位以内を目指したい」と見据える。さらに、国体の直後にはU16に挑む。「疲労があると思うけど、その中で自分のできることをして優勝したい」。次の目標達成へ向け挑戦は続く。
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