原爆被災者の会丸山会長
「地道な活動の結果」
被団協がノーベル平和賞
11月21日
団地入居者の買い物の利便性向上と入居者同士のコミュニティーの活性化を図るため市営上九沢団地で11月22日、同団地の管理組合主体による野菜の移動販売が始まった。今後は週2回、団地内の広場で定期的に販売を実施する。
上九沢団地は全7棟、587人が入居しており市内最大級のマンモス団地。65歳以上の高齢者の割合は253人で入居者の約43パーセントにあたる。一番近いスーパーまでは約1・2キロメートル、徒歩だと20分ほどかかる。かねてより管理組合の集まりでも、自家用車などの移動手段がない『買い物難民』については議題に挙げられていたが「近くにあったコンビニが食料品などを配達してくれていたので、何とかなっていた」と管理組合の吉澤肇理事長は振り返る。しかし、そのコンビニが昨年末、閉店。買い物困難者が増えるようになった。
市に署名を提出
今年6月、コロナ禍で開くことのできなかった総会を4年ぶりに開催。そこで『買い物難民』について話し合い、市に移動販売事業を認めてもらう要望書を提出することに決めた。役員13人が7月いっぱい奔走し、280人の署名を集めた。8月10日、署名簿と共に住民の願いを市に伝えると「まずテストしてみてはどうか」と提案され、早速、組合が主体となり準備を進めた。
販売事業者として手を挙げたのが、同団地のこども食堂を支援していた農産物の移動販売を行う「つどや」。吉澤さんは「大手スーパーなどに相談を持ち掛けたが全部断られてしまって困っていた。つどやさんには感謝しかない」と話す。11月6日の夕方と8日の朝の2回、テスト販売を実施すると合わせて約150人が買い物に訪れた。「こういうのをやってほしかった」「待っていた」と住民から喜びの言葉が多く寄せられ、吉澤さんは「みんな望んでいたんだ」と実感。市に実証結果を報告すると、事業実施が認められた。
朝夕、週2回
正式な販売初日となった11月22日、60人を超える住民らが新鮮な野菜や果物を求め、広場に訪れた。元気な声で、野菜の調理方法や美味しい食べ方を買い物客に伝えながら販売を行う「つどや」の小川豊代表。広場には終始笑い声が響いていた。小川さんによると、この日は、相模湖のホウレン草や大島のミニトマトなど地元の野菜が人気だったようだ。
吉澤さんは「毎日なにかしらの業者が来てくれればみんなが楽しめると思う。今後、キッチンカーとかコンビニとか、住民の要望を聞きながら少しずつ増やしていきたい」と抱負を述べた。
野菜の移動販売は、毎週月曜日の午後4時からと、水曜日の午前10時15分から各30分ほど。団地以外の人も利用できる。
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