老朽化による耐震問題や狭あい化のため、2022年から新築工事が進められていた津久井警察署の新庁舎(中野937の2)がこのほど完成し、3月25日(月)午前8時30分から業務を開始する。佐藤宏文署長は「今一度しっかり足を固め、地域住民に寄り添い、安全で安心な暮らしを守るため気を引き締めていきたい」と話す。
旧庁舎は1961(昭和36)年に建築。築60年以上が経過し、老朽化に加えて署員増員による狭あい化が目立ち、耐震診断では補強工事が必要とされていた。2015年、地域の自治体や商工会、警察支援団体らが立ち上がり「津久井警察署の機能充実と建て替えを求める会」を設立。県に再三、建て替えを求め、2年後の2017年、津久井合同庁舎の敷地内に新築移転することが決定した。2022年に工事が着工、今年の2月28日に建物が完成した。
運転免許証の更新などの窓口業務は3月22日(金)午後4時までは現庁舎で受け付け、25日(月)の午前8時30分から新庁舎での対応となる。電話番号は変わらない(【電話】042・780・0110)。
新庁舎は鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建で、延床面積は旧庁舎のおよそ1・5倍の約3000平方メートル。脱炭素対策として全ての照明をLED化し、再生可能エネルギーを導入。屋上に出力50キロワットの太陽光発電設備を設置し、日中使用する電力の1〜2割ほどを賄う。
「自然豊かな津久井の景観に調和させた」という外観は、天然の風合いを思わせる再生木材ルーバーのひさしや木質系の仕上げ材を使用。黒い壁とのコントラストが際立つ造りとなっている。屋内はバリアフリーで、多機能トイレも1階に設置。部署は1階に交通課、地域課、警務課、会計課(落し物窓口)、2階に生活安全課、刑事課、警務課、3階に警備課が配置される。
災害活動拠点に
建物の耐震基準は通常とされる基準の約1・5倍。大規模災害が発生した際、第一線の警察活動拠点になることから機能性を強化。万が一の浸水に備えて発電機や受水槽は2階以上に設置した。庁舎で使用する1日分の電力を賄える非常用発動発電機や電源自動車からの電気を供給できる装置も揃え、安全と安心を守るための機能を備えた庁舎となっている。佐藤署長は「利便性の良い、地域の方たちが求める新庁舎ができたと思う。今後も地域のため署員一同、1つでも犯罪を減らすよう努めたい」と誓った。
16日と17日には、地域住民や警察支援団体らを招いた内覧会が開かれた。谷光徳副署長から新庁舎の説明を受けた、津久井地区警察官友の会の力石修会長は「私たち警察支援団体待望の新庁舎が完成してうれしい。安心安全の拠点として津久井を守ってもらいたい」と話した。
なお、旧庁舎は25日に閉署。建物解体後の跡地利用は未定だという。
安全協会も
また、同署の移転に伴い、隣接していた津久井交通安全協会も25日から新しい事務所(中野946の3、中野中学校隣)に移転する。同協会の平栗文夫会長は「新しい門出。今後さらに地域の安全・安心のため会員同士の太い絆を構築していきたい」と展望を述べた。
![]() 内覧会の様子
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