夏の暑い時期に公共施設や商業施設などの涼しく過ごせる場所を市民に利用してもらうことで、熱中症の予防や家庭での節電につなげようという取り組み「クールシェア」が相模原市内でも始まった。
クールシェアは、東日本大震災後の電力不足への対応策として始まり、2012年からは環境省がスーパークールビズの一環として取り組みを拡大。熱中症対策として各自治体に、誰もが涼める場所の設置を呼び掛けている。
市内では13年から始まった取り組みだが、コロナ禍で密を避けざるを得ない状況が続いていたため、実質的には今夏から本格稼働する事業となる。これまでに公民館や図書館などの公共施設92カ所、ドラッグストアやカーディーラーなどの民間施設45カ所の計137施設が趣旨に賛同し協力している。
中央区鹿沼台の市立図書館では、館内に取り組みの趣旨を伝えるポスターを掲出。職員は「夏休み中の子どもたちも涼しい館内で本を楽しんでもらえたら」などと話した。
97カ所指定
熱中症対策の強化を盛り込んだ改正気候変動適応法が今年4月1日から全面施行され、市町村は、暑さをしのぐ場所として「クーリングシェルター」(指定暑熱避難施設)を指定できるようになった。市内では6月28日時点でイオン橋本、イオン相模原ショッピングセンター、ウェルシア薬局13店の民間施設15カ所を含む、97カ所が指定を受けている。
シェルターが開放されるのは、県内5カ所の観測地点で暑さ指数が35以上を記録すると予測された場合に出る「熱中症特別警戒アラート」発令時となる。
市の担当者は「暑さを我慢してしまい熱中症になるケースが毎年ある。クールシェアスポットやシェルターを使って夏場を乗り越えてもらえれば」と話している。
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