湘南小学校(篠原潤子校長)で交通安全を啓発するスローダウンキャンペーンが9月26日に行われた。集まった地域の企業や団体などに対し、通学路付近のスローダウン(減速)を児童が直接お願いした。
スローダウンキャンペーンは1982年から続く同校の恒例行事。50年ほど前、学校に隣接する県道で3人が自動車にひかれる死亡事故が発生した。それを受けて地域や学校、PTAなどが一丸となって「このような事故を二度と起こしてはいけない」という思いでキャンペーンを始めた。それからは、警察や交通安全協会などの協力を得てドライバーに減速を訴える行事が毎年行われている。
2年前までは、実際に学校の前を走行する自動車に停車してもらい、児童が直接ドライバーに交通安全を訴えてきた。しかし、児童の安全面を見直し、道路で停車してもらう手法は止め、昨年は地域の事業所などに児童が交通安全の啓発物を手渡す方法に変更した。今年は企業や関係者を学校に招き、一斉に児童がスローダウンのお願いをした。
当日は18人の全校児童が参加した。近隣の企業など7社、津久井警察署、津久井交通安全協会、地域の自治会、学校の見守り隊、評議委員らに児童が交通安全の思いをまとめた手紙を読み、啓発用のポスターやティッシュを手渡した。児童は「皆さんにスローダウンをぜひ呼びかけてほしい。ポスターは多くの人に見られるように貼ってほしい。これからも安心安全に登下校できるよう、一緒に事故のない日々をつくっていきましょう」と交通安全を訴えた。
飛び石や風圧も
湘南小は県道511号に隣接している。この県道は、小倉橋から高田橋までの約7キロの区間に信号機がほとんどなく、相模川に沿うように延びており比較的見通しも良い。そのためか通行する自動車が速度を上げて通過するのが散見される。
同校の教諭によると、トラックの交通量も多く飛び石もあるという。「過去に速度を上げたトラックが通り過ぎた際に児童に向けて飛び石があった。その時は石はガードレールに当たったが、とても危ない」と教諭らも危機感を抱く。特にトラックが通り過ぎる際の風圧は強く、「大人でも風の勢いにふらつくほど」と話す。さらに、「雨の日は学校の前を車が勢いよく通り過ぎると、水が校門を越えて上から降ってくる状態」と言う。児童も「雨の日は車が水たまりの水を飛ばしてきて、学校に着くと服がびしょびしょになっている」と現状を嘆く。
通学路では意識的に減速したり、飛び石がないように清掃車を走らせる企業もあり、それには児童も「分かってくれている企業もある」と感謝する。キャンペーンを終えて児童は「緊張したけど私たちの思いは伝えられたと思う。ぜひスローダウンを広めてほしい」と話した。
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