相模原市内の企業や団体によるSDGsの達成につながる優れた取り組みを表彰する「さがみはらSDGsアワード2024」の授賞式が10月24日に中央区の産業会館で開催され、鳥屋でゴムひも・手芸用組みひもの製造販売をする株式会社イノウエ(井上毅代表取締役社長)が最高位の相模原市長賞を受賞した。
今年で4回目となる同アワード。公益社団法人相模原青年会議所、同津久井青年会議所、相模原市により開催されている。今年は市内から22の応募があり、5団体が表彰を受けた。
株式会社イノウエは、地域の伝統工芸である津久井の組みひもを年間で1万6000キロメートル生産している。そのうち廃棄される112キロメートルを、地域の高齢者や体の不自由な人の手で商品化する取り組みが評価された。さらに、商品は地元の鳥居原ふれあいの館で販売している。「相模原らしい循環型社会の取り組みであり、健康予防や活躍の場の提供など、複数のゴールにつながる取り組みである」と評価された。
受賞に井上毅社長は「過分な賞をいただき大変うれしく思う。当社は7割が女性。そして地域の方々、障害者施設の方々にも内職をしていただき助けられている。地域の皆さんと共存していき、今後もこのような活動を続けていければ」と笑顔を見せた。
優秀賞
優秀賞には、NPO法人さがみはら子どもの居場所サミットが選ばれた。同団体は子ども食堂や無料学習支援団体の連携強化と子どもたちの居場所づくりを促進。イベントも開催している。「民間のプラットフォームとして仕組みを構築していることは力強く感じる。市内に面的な広がりが伺えることは特筆すべき」と評された。佐竹輝子運営委員長は、「これまで子ども食堂を開催してきたが、このままでは高齢化で運営できなくなると思い、横のつながりが必要と考えた。末永く続くように活動を広げていく」と話した。
協働賞
協働賞は、福祉と環境を考えるボランティアグループ青い鳥。同団体は使わなくなった衣類等をバックやポーチ、洋服などにアップサイクルして販売。収益を福祉団体や被災地支援に寄付してきた。「多くの市民、団体を巻き込んでいる点は協働賞にふさわしい」と評価された。前川好子代表は「関わってくれたみんなの受賞だと思う。使わなくなった衣類を提供してくれる方、それで作る方、買ってくれる方などすべての皆さまのおかげ」と喜んだ。
審査委員特別賞
審査委員特別賞は橋本小学校とNPO法人ぴあっとが受賞した。
橋本小はアワード初の2年連続2度目の受賞。児童が手掛けた「相模原つめこみ弁当」づくりが評価された。地域の協力を得て、相模原産の食材で弁当をつくり、容器や箸には津久井産材を使用した。6年の鎌田まなみさんは「お米を自分たちで作ったり、お弁当づくりはとても時間が掛かった。受賞はびっくりとうれしいが混ざり合っている」と思いを口にした。
ぴあっとは、発達特性の理解促進のための出前授業の実施や発達支援発表会の開催など、こどもの発達支援に関する活動を展開している。五十嵐舞子代表理事は「子どもの発達の味方を増やすをモットーに活動している。多様な子どもたちにとってより住みやすい相模原にしていきたい」と前を見つめた。
アワードを振り返り、本村賢太郎市長は「SDGsは行政だけでは前に進めない。民間や団体が参加して、一人一人が活動することでどんどん幅が広がっていく。今後も取り組みを深めていければ」と思いを述べた。
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