「図書館と市民をつなぐ会・相模原」の代表を務める 山本 宏義さん 南区在住 81歳
図書館に魅せられた半生
○…「図書館は本を借りたり、勉強するだけの場所ではないんです。ここには無限の可能性があるんです。もっと多くの人に来てもらって身近な存在になれば」。市立図書館で11月30日まで開催中の市民がおすすめする一冊をPOP(店頭に表示するポスターやステッカー)を使って紹介する企画展。主催する「図書館と市民をつなぐ会・相模原」の代表を務める。幅広い世代のメンバー20人と共に図書館の魅力を伝える活動に汗を流す。
○…27歳の頃から司書として長年、相模原市内の図書館業務に携わってきた。57歳の時、生まれ故郷・鳥取に隣接する広島県内の図書館が人材を求めている情報に触れ転籍。広島で4年間の単身赴任生活を送った。「必要な情報を手に入れることができる場所である点においては、図書館はどこも同じ。相談者からの『良かった』『ありがとう』がやりがいだった」
○…地方に出掛けて時間があると、その土地の公立図書館を訪れる。図書館に半生を捧げてきた性なのだろうか。「職業病かな」。豪快に笑ってみせた。書籍に多く触れてきた人生。大切な一冊は--との投げ掛けに、「ないですよ」。即答だった。膨大な情報の中から必要な情報を繋ぎ合わせ相談者のニーズに応えるには「『浅く広く』自分の所属する図書館以外が所蔵する情報も網羅しておく必要があるんです」。デジタル化が進む以前の時代を生きた「職人」の姿を垣間見る。
○…「紙媒体は保存できるのが最大の強み。情報の信頼度という点でもデジタルの情報よりも高い。そういった点でも図書館の存在意義は増している」。それまでの柔和な印象とは異なる表情に、信念のような強い思いを感じさせる。半生を捧げてきた図書館に対する思いは計り知れない。
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