物価高騰が学校給食を直撃している。相模原市は11月18日、市議会に12月補正予算を提出し、給食費について約9180万の増額を盛り込んだ。全国では給食費を値上げする自治体が相次ぐ一方、子育て支援の一環として無償化を打ち出す自治体もある。相模原市では先行きの見えない物価高騰や国の支援策が見通せない中、増額分を市費で捻出する方針を示した。
「2020年度に改定して以来、給食費を据え置きしてきた。食材費が上がる中、改定が必要ではないかと検討をするのは、全国の自治体と同様に相模原も同じ状況」と話すのは相模原市学校給食課の担当者。
学校給食法ではパンや米飯、牛乳、おかずなどの食材料費を給食費として保護者の負担と定めている。相模原市の給食費は20年度に改定し、現在は小学校・義務教育学校前期課程で月額4600円、中学校(4校のみ)・義務教育学校後期課程で月額5300円。ただ、近年の急激な物価高騰によって22年度と23年度も補正予算を計上し、国からの交付金を活用して補ってきた。
また物価高騰対策の一環として小学校の給食費を今年1月から3月までの喫食分について、時限的に無償化を実施した経緯がある。
今回の補正予算については、特に米と牛乳の急激な値上がりに対応するためとしている。市の担当者は「現在のところ国からの支援は示されておらず、市費を使うことで議会に補正予算を提出した」と説明する。
全国で値上げ相次ぐ
文部科学省が今年6月に発表した調査結果によると、2023年度の給食費の全国平均額は小学校で4688円、中学校で5367円だった。物価高騰を背景に直近の5年間では約8%上昇し、10年間では約12%上昇している。
全国では2025年度から給食費の値上げを実施する自治体が相次いでおり、県内の政令市では川崎市が25年度から値上げする方針を発表した。1食あたり小学校で47円、中学校で56円の値上げをするという。
相模原市の担当者は「料金の改定について、市として検討している一方で子育て世帯への支援も必要となっている。今のところはさまざまな調整で対応しているが、今後は料金改定の時期や金額、支援策を検討していく」と話している。
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